3-4 各部門の資本効率性向上が全社ROE改善につながる

前回で各事業部門のBSが完成しました。

事業部門BSの右下に資本がありますが、それは本社が供給した資金です。

この資金は部門にとっては資本ですが、これを一般の企業のように株主資本と有利子負債と分けて考える必要はありません。企業によってはあえて事業部門にも有利子負債と株主資本(株主は本社)という概念を持ち込んで業績管理されているところもありますが、それぞれの部門の株主資本の額の決め方にこれといった公平な方法がないため、分ける意味がないと考えてます。

この本社が供給した資金の源泉をたどると本社が株主から調達した株主資本と銀行などから借り入れた有利子負債の合計にたどり着きます。お金には色がついてなく、本社はその株主資本と有利子負債の合計額(投下資本と呼びます)を各部門に資本として配分しているのです。


各事業部門はこの投下資本を使って事業を運営し利益を上げるのですが、当然少ない資本で大きな利益を上げることが要求されます。つまり事業運営の良し悪しはどれだけ高い利益(絶対額)を上げたかではなく、どれだけ少ない資本で高い利益を上げたかという資本効率性で決まってくるのです。なぜなら資本にはコストがかかっているからです。じゃぶじゃぶと必要以上にお金を使って利益を出すことは求められていません。

この部門に課せられる資本効率性指標が、以下の投下資本利益率です。


これにより、事業部門は利益拡大と同時にその利益を産み出すためにいくらの資本を使ったかという資本効率性改善も目標となり、全社のROE改善につながるのです。

文:クロス・ボーダー・ブリッジ株式会社 代表取締役 藤原裕

【バックナンバー】連載コラムを読みたい方は、こちらから