食事券と引き換えにアンケートを実施

定食
画像はイメージ(Photo by PAKUTASO)

大戸屋側の反論は大きく2つに集約されます。1つは株主提案をするきっかけとなったM&Aに対するもの。もう1つは取締役選任についてです。

コロワイドは大戸屋に対してグループ傘下入りを打診したとしていますが、正式な提案はなかったといいます。また、コロワイドは大戸屋の株主に対し、「グループ入り」に賛成かどうかのアンケートを実施し、9割の賛同を得たとしています。しかし、アンケートは食事券3,000円という特典をぶら下げて行われたものであり、賛成を誘導しているとしています。

そして経営陣の刷新が一番のポイントになります。コロワイドが推薦した人物の一人がお家騒動の中心にいた三森智仁氏です。三森氏は肺がんが発覚した創業者の父親の威光を借りて、店長職から常務取締役に昇進。周囲の反感を買い、取締役の窪田健一氏と口論を起こすなど、組織と経営陣を揺るがす存在となりました。

すったもんだの末に、三森氏は大戸屋の役員を辞任。スリーフォレスト(本社:東京都新宿区)という高齢者向け外食宅配システムの会社を立ち上げました。そして、母親とともに大戸屋の持ち株をコロワイドに売却してお家騒動は終結するのです(詳細についてはこちら)。

コロワイドは今になって、三森氏を社外取締役に推薦しました。その理由として、創業者の精神を継承していることを挙げています。コロワイドの狙いは明確です。伝統や創業者の想いを盾に店舗運営スタイルを変えようとしない経営陣に対し、創業者目線で意見ができる人物といえば三森氏を置いて他にありません。効率化を推進する中心人物の一人として、三森氏を推薦した可能性が高いです。

大戸屋は、三森氏が2016年2月まで取締役を務めており、会社法で定める社外取締役に該当しないとしてこれを拒否しました。

創業一家からコロワイドへと株式が移り、現経営者としてはホッと一息ついたタイミングに違いありません。そんな折にコロワイドからの株主提案。そして創業一家の再来。さらに新型コロナウイルスが襲い掛かりました。

コロワイドと大戸屋の行方に注目が集まっています。

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