【商業登記】組織再編時の株主リストの作成者は誰になりますか?

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2.その他の株主リストに関する注意点

 上記1.組織再編以外で、株主リストに関する実務上の注意点として、当方が経験した内容で挙げられるものは、以下のとおりです。  こちらは、法務省から正式な見解が示されていないものもあるため、実務の運用が今後変更される可能性があるので、ご注意ください。

①商号変更をした際、会社代表印の改印届出を行いますが、株主リストに捺印する印鑑は改印前・改印後いずれの印鑑にすべきでしょうか?
→改印後の印鑑にすべきです。
本事例のように、商号変更をする場合、商号変更登記と併せて、会社代表印の登録を変更後の商号のものに改印するケースが多いです。
その場合には、登記申請時の会社代表印は改印後の印鑑となるため、株主リストに捺印すべき印鑑は、改印後の印鑑になります。

②代表取締役を変更する場合、株主リストに記名捺印すべき代表取締役は誰でしょうか?
→変更後の代表取締役です。
本事例のように代表取締役を変更し、株主総会時点と登記申請時点で代表取締役が異なる場合、株主リストに記名捺印すべき代表取締役は、登記申請人となる変更後の代表取締役です。

③株主リストに記載すべき株主は、いつの時点の株主でしょうか?
→原則として株主総会時点の株主です。
但し、定時株主総会のように定款で基準日を定めた場合や、臨時株主総会において基準日設定公告をした場合には、当該基準日時点の株主です(会社法124条)。

④株主に相続が発生している場合はどのように対処すべきでしょうか?
→株主の相続人側から相続の届出があるまでは、原則として、元々の株主の氏名等を記載しておけば足ります。
当該相続の届出があった場合は、遺産分割協議によって株式を取得した者が株主になるので、その者の情報を記載します。遺産分割協議が未了の場合には、相続人全員の情報を記載することになります。
但し、会社側で積極的な相続人の調査までは不要と考えます。

⑤複数回開催された株主総会や複数の登記事項を一括して登記申請する場合、株主リストは株主総会ごと・登記事項ごとに作成すべきでしょうか?
→記載する株主等の情報が同一の場合には、一括して1通のみ作成すれば足ります。

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