中国の4大ポータルサイトの一つを運営する「網易(ネットイース)」の創業者で、CEOの丁磊(ディン・レイ)を紹介する。

フォーブスが毎年発表している「中国の富豪ランキング2019版」によると、丁磊は第8位にランクインしている。

成都電通工大に学ぶ

網易は、同名のポータルサイトを運営するほか、オンラインゲームブログ電子メール、越境EC、オンライン教育、読書アプリ、SNS、音楽プラットホーム、翻訳サービスなどを複合的に手がける。

丁磊は1971年、浙江省寧波市でホワイトカラーの家庭に生まれた。1989年、高校を卒業すると、成都電気通信工学大学(現在の電子科技大学)に入学する。大学では、いつも図書館に通い、海外の技術、なかでもにコンピューター関連の本をよく読んでいたという。大学生4年生の頃にはソフトウエアの作成をこなし、大学最後の学期にはコンピューター会社のエンジニアとしてパートタイムで働いていた。

1993年、丁磊は大学を卒業すると、故郷に戻り、寧波市の電信局で働き始める。しかし、家族の大反対にもかかわらず、1995年、丁磊は電信局を辞めてしまう。

丁磊は広州で新しく設立されたデータベースソフト開発の米国企業サイベース(Sybase)に入社した。Sybaseで1年間働いた後、1996年、広州のあるインターネットサービスプロバイダーの会社に転職する。そこで、インターネット掲示板を立ち上げた。しかし最終的に、この会社は激しい競争と高額な通信料のため、生き残ることができず、倒産してしまった。

1977年に起業、中国4大ポータルサイトに躍進

丁磊は、起業の道を模索する。1997年、網易(ネットイース)を設立し、フリーメールとポータルサイトという2つのサービスを始めた。

網易のポータルサイトのドメインは「163.com」だが、フリーメールのアドレスも同じものを使用している。アットマーク以下が「163.com」のメールアドレスは、中国では非常にポピュラーなものの一つである。

photo by Tim Wang

その後、網易のフリーメールとポータルサイトは爆発的な人気を集め、現在、中国では騰訊QQ(テンセントQQ)、新浪(SINA)、捜狐(SOHU)と並び、中国4大ポータルサイトに数えられるまでに成長した。

2000年には、網易は米ナスダック市場に上場している。近年は特に、オンラインゲームやモバイルゲームの開発に力を入れており、ユーザー数も増え続けている。ゲーム部門の利益が70%以上を占めるとも言われる。

日本に進出し、ゲーム配信

網易は日本にも進出し、日本法人の網易娯楽(東京都)を通じて「陰陽師」などのゲーム配信を行っている。

2015年には大手越境ECプラットフォーム「考拉海購(Kaola)」の運営を始めた。主に中国国内の消費者向けに、ベビー・マタニティー用品、化粧品、アパレル、家電、生鮮品などをECサイト上で提供している。

約80カ国100社以上の企業と取引し、数億アイテムを超える商品を取り扱うが、化粧品、ベビー用品、生活用品を中心に日本製が売上首位を占めているという。日本製品の調達を目的とし、2017年に東京都内にHQG Japanを設立した。(敬称略)

文:M&A Online編集部