アジア初のラグビーワールドカップ(W杯)が盛り上がり、日本代表は初の決勝トーナメント進出。日本戦はテレビ視聴率が50%を超えるほどのブームを巻き起こした。スポーツ評論家の松尾雄治さん(65)に、西麻布のバー「リビング」で会った。

「すばらしかったね。日本のラグビーここにありみたいな、我々のころとはレベルの違う試合を展開した。練習もしただろうし、精神的にすごく強くなったよね。俺にもやれるんだという自信がある。我々OBは何も言えないぐらいすばらしい試合でした」

還暦で、会員制バーを開業

松尾さんは明治大学4年生の時にスタンドオフとして、当時低迷していた明大ラグビー部を悲願の初優勝に導いた。卒業後は新日鉄釜石でも日本選手権7連覇を含む優勝8回を達成する主力選手として活躍。2012年に成城大学のラグビー部監督を辞めてからはスポーツキャスター、ラグビー解説者、タレントとして活躍していることはご存じの通り。 

成城大学の監督を辞めて60歳の還暦を迎えたとき、第二の人生をどう生きるべきかという課題に直面。いろいろ悩んだ末に、「友達や仲間がみんな集まって楽しく語り合える場を作ろう」と東京・西麻布に会員制バー「リビング」を開業した。

選手時代は屈指のスタンドオフといわれた。スタンドオフはゲームをコントロールするのが役割で、チームの司令塔などと呼ばれる。今はお店の司令塔だ。

「常にまわりを見て、あそこはウイスキーが空いてるなとか、水割りがもう無いな、あそこはシャンパンが空いてるなと、よく気がつくんだ。これが飲み屋のスタンドオフだね」

ストイックな練習に打ち込んでいたラガーマンだったことが信じられないほど明るい人だ。かつての仲間との思い出話は思いっきり笑わされた。サービス精神が旺盛な人なのだろう。