「知的な無駄」を排除せよ

地球上から知的な無駄を排除したい──。資産工学研究所の坂本善博所長によると「排除したい知的な無駄」は2種類あるという。

「一生懸命にやってるんだけど、上手な人のやり方を知らずに自己流で下手くそな仕事をする。それは無駄。他の人がやってる同じ失敗をして、後始末に苦労する。それも無駄。その2つの無駄はなくした方がいいということです。うまい人はどういうふうにやっているのかを知れば、多少は自分もうまくなるじゃないですか。少なくとも同じ失敗はしない」

成功法則もさることながら、失敗を知ることも成長していく上で大事なことだ。うまい人のやり方を知らずに同じ失敗をする人もいれば、そこから伸びる人もいる。だれもやったことのない仕事で失敗するのは価値があるが、同じ失敗、無駄な失敗は繰り返さない方がいいに決まっている。

経団連トップの「終身雇用はもう限界だ」という発言がニュースになったが、すでに終身雇用は崩壊している。これからは個々のビジネスパーソンも能力を高める努力をしないと、生き残っていけない。そういう時代に入っている。今あなたがやっているこの仕事はAI(人工知能)がやるからあなたは要らないと言われたら終わり、その時点で不要の人材となる。

「今55歳からの起業セミナーというのを計画しています。大企業に勤めていても、役職定年だのリストラだのと、会社から放り出されることもあるでしょう。そのときになって慌てないために、今から準備をしておいた方がいいですよということです」

人生の棚卸しをすぐに始めるのではなく、計画的に勉強して次のプランをいまから仕込んでおきなさいという講座だ。

年を取ると物覚えが悪くなるものだが、加齢の影響はと聞くと、即座に「あ、関係ないね」と答えた。「知恵の見える化は趣味で、それをどんどんビジネスにしているから疲れない」

企業に成功法則を伝授しているぐらいだから、坂本さんのビジネスも「順調です。売上げも伸びているし、まだだれもやってないことを考えるのは楽しいですよ」

80歳までは「お客さんから来なくていいと言われるまで」現役を貫くつもりだ。(おわり)

文:大宮知信