ECサイト運営会社である「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」の創業者であり、現在の会長兼CEOのコリン・ホアン(黄峥)を紹介する。

フォーブスが毎年発表している「中国の富豪ランキング2019版」によると、コリン・ホアンは第7位に名を連ねる。

米グーグルでキャリアをスタート

中国人起業家のエリートコースとは、米シリコンバレーでキャリアをスタートさせたのち、中国に戻り、起業し成功するという道。コリン・ホアンは、まさに、“王道”を歩んでいる人物といえる。

コリン・ホワンは1980年、浙江省杭州市で生まれた。この町はアリババの本拠地として知られる。両親は地元の工場で働く工員だったという。幼い頃から成績優秀で、12歳のときに名門の杭州外国語学校に入学した。地元のエリートの子どもたちと机を並べることになる。後に、コリン・ホワンは同校での経験が人生を変え、「この学校が私の世界を開いてくれた」と語っている。

浙江大学に進み、2002年に卒業後、米国に留学した。ウィスコンシン大学マディソン校でコンピューターサイエンスの修士号を取得した。米留学中、北京にあるマイクロソフトの中国オフィスと米本社の両方でインターンシップを経験している。

2004年、コリン・ホワンは卒業を控え、就職先を決める時期になった。周囲の人は、当時、市場を支配し、利益を上げていたマイクロソフトに就職するものと思っていたが、当時まだ成長途上の企業で、株式公開もしていなかったグーグルに入社した。

2006年、コリン・ホワンはグーグルの中国事業立ち上げのため、母国に派遣された。しかし、翌2007年にグーグルを退職する。

拼多多のビジネスモデルとは?

グーグルを退職した後、コリン・ホアンは、ECサイトの運営会社、オンラインゲーム会社などを立ち上げる。拼多多は2015年に設立した会社である。

拼多多は、「SNSの機能を備えたショッピングサイト」という触れ込みで立ち上げた。ネットショッピングをする消費者は通常、すでに買いたい商品を決めており、キーワード検索をして、いくつかの選択肢やレビューをチェックしたのち、購入する商品を選ぶ。こうした消費者に対して、友人とショッピングモールで1日を過ごすような体験を提供しようというのが拼多多のアイデアである。

つまり、自分が買いたい商品について他のユーザーと意見を交換し合い、信頼できる相手からフィードバックを受け、ちょっとしたおしゃべりもする。その後、ユーザー同士で一緒に商品を購入すると、割引が受けられるというシステムになっている。この「共同購入」というビジネスモデルは過去にも例があり、グルーポンが有名である。

拼多多は、立ち上げから1年足らずで2000万人のユーザーを獲得し、その後も急成長を続けた。拼多多は、中国版LINEラインといわれる「WeChat(微信)」に、自社のアプリを埋め込むという戦略により、ユーザー数を伸ばした。現在、拼多多はユーザー数が中国2位のECアプリに成長した。

中国の消費生活の向上に寄与

2018年、拼多多は米国市場で株式上場した。上場後、最初の財務報告で前年比2000%を超える収益を発表している。

マイクロソフトの北京オフィスと米本社のインターンシップを経験したコリン・ホアンは、身をもって、二つの国の経済格差を経験している。当時、ひと月のインターンシップの給料は北京が約900米ドルだったのに対し、米では約6000ドルだったという。

コリン・ホアンは事業を通じて、中国における消費生活の向上を目標としている。具体的なイメージとして、「田舎の人間がキッチンペーパーを使い、良質の果物を食べられるようになること」と述べている。拼多多が中国の消費社会にどんなインパクトを与えるのか、今後も目が離せない。(敬称略)

文:M&A Online編集部