国内だけでも3300万人以上が利用している画像共有SNSの「インスタグラム」である。「メルトリップ」は旅行に特化したという優位性はあったが、よほどの旅行好きでない限りは年に数回程度の体験にすぎない。ならば日常使いの「インスタグラム」で用は足りるし、発信力も段違いに高い。加えて「インスタグラム」の利用者が、メルカリと同じ若年層に多いこともマイナスに働いた。

メルトリップの前にインスタグラムという「高い壁」が立ちふさがった。

投資家にも「責任」がある

「メルカリチャンネル」に話を戻そう。メルカリは「メルカリチャンネル」の終了理由を「経営資源の適正化」としているようだが、ライブコマースの将来性は高く、現在は大きな利益を生んでいないとしても切り捨てるには惜しいサービスだ。

気になるのはスマホ決済サービス「メルペイ」を除けば、新たなサービスが立ち上がっていないことだ。終了したサービスに見合う新サービスが立ち上がるのならば「新陳代謝」だが、そうでなければ「衰退」が始まる。日本では数少ないユニコーン企業だけに、メルカリにはフリマアプリ回帰の「守り」ではなく、新事業を繰り出す大胆な「攻め」を期待したい。

一方で投資家にも責任がある。新事業がすぐに黒字化するわけではない。そうした「攻め」で赤字を計上したとたんに株価が下がるようでは、メルカリが新規事業に慎重になるのも当然だ。ユニコーン企業に投資するということは、目先の株価に一喜一憂するのではなく「世の中を変えようとしている」企業を支援するタニマチ的な心意気が必要になる。そしてそれが後に大きな利益となって返ってくるのだ。メルカリがこのまま衰退するとすれば、その責任の半分は投資家にある。ユニコーン投資家の心意気に期待したい。

文:M&A online編集部