M&Aを実行すると、経営者に多額の資金が入ってくることが一般的だろう。多額の資金をもとにしてセカンドライフを楽しもうと思っている経営者も多いと思う。しかし、同時に相続税対策を考えることも必要だ。

相続税の最高税率は55%であり、何の対策もしていないと多額の相続税がとられてしまうことになる。相続税の対策・方法には、さまざまな方法があるが今回は教育資金贈与について説明する。

教育資金贈与制度とは

贈与は、贈与を受ける人、一人当たり110万円までは非課税だが、それ以上の贈与については税金がかかる。相続税の最高税率は55%と非常に高い。

相続税対策として資産を家族に移したいと思う方は多いと思うが、計画的に行わないと逆に多くの税金をとられてしまうことになってしまう。しかし、年間110万円では、大きな節税効果を得ることができない方も多いだろう。そんな方におすすめなのが教育資金贈与制度だ。

教育資金贈与制度とは、孫や子供に一括で教育資金の贈与をしても、贈与税がかからない制度のことをいう。この教育資金贈与制度だが当初は2019年までに申し込めば利用できる制度だったが、2021年3月31日までに延長された。

3つのメリット

教育資金贈与制度の主なメリットは3つだ。

・1500万円まで一括で贈与できる
・暦年贈与との併用ができる
・使途を教育資金に限定させることができる

教育資金贈与制度のメリットについてわかりやすく説明していく。

1500万円まで一括で贈与できる
教育資金贈与制度では、1,500万円までを非課税で一括贈与することができる。大きな資金を一括で贈与することができることは大きなメリットだろう。例えば、祖父母から2人の孫に贈与する際に、この教育資金贈与制度を利用すれば、一括で3000万円動かすことができるので大きな節税効果を得ることができる。

暦年贈与との併用ができる
教育資金贈与制度を利用しても暦年贈与に関しては引き続き実施することができる。大きな資金を一度に渡すことができ、かつ暦年贈与も続けることができる事は教育資金贈与の大きなメリットといえるだろう。

使途を教育資金に限定させることができる
贈与を行う際、多くの方が心配する事は、子供や孫が無駄遣いをしないかどうかということだ。通常の贈与の場合、当然ではあるがお金をもらった孫や子供は自由にそのお金を使うことができる。

逆に贈与者が、受贈者(孫や子供)の資金使途を制限してしまうと贈与者の名義預金とみなされてしまう可能性が高くなる。

しかし、教育資金贈与制度の場合、資金使途は、教育関連のものに限られる。教育資金といっても、高校や大学の入学金や授業料だけでなく、塾や予備校の月謝やスイミングスクールなどの習い事にも利用することが可能だ。

教育関連の支出のみに限定することができるので有意義にお金を使ってもらうことができるのだ。

使いきれなかった分には贈与税、領収書も毎年提出

この教育資金贈与の主なデメリットは2つある。

・使いきれなかった分や教育以外の目的で使った分には、贈与税がかかる
・毎年、領収書の提出が必要

1つは使いきれなかった分や教育以外の目的で使った分に関しては贈与税がかかってしまうことだ。せっかく教育資金贈与でお金を受け取っても、使いきれなかった分に関しては贈与税が後ほど課税されることになる。

一度に教育資金贈与を利用すると取り消しすることができないので使いきれる金額を贈与することが大切だ。

もう一つは、教育資金にお金を使った証明として毎年、領収書の提出が必要になることがあげられる。つまり、非課税の適用を受けるには、領収書をしっかり保管しておく必要があるのだ。

領収書がないお金に関しては教育資金贈与制度の非課税の適用を受けることができなくなる。こちらも教育資金贈与制度を利用する際の大きな注意点といえるだろう。

今回は教育資金贈与制度について説明をした。教育資金贈与制度を利用すればまとまったお金を一括で贈与することが可能になる。暦年贈与に加えて教育資金贈与制度の利用についても検討してみてはいかがだろうか?

文:M&A Online編集部