【IHI】この社名はどこから来たの?

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IHI本社(東京・豊洲)

IHIの読みは「アイ・エイチ・アイ」。日本を代表する総合重工業メーカーとして、産業界で枢要なポジションを担う。2007年にローマ字の現社名に改めたが、IHIは漢字表記だった時代からの略称として使われていたことから、一般にも認知度が高い。

その元々の社名は石川島播磨重工業。英文ではIshikawajima‐Harima Heavy Industries。IHIはこの頭文字からとった。

ペリー来航に対抗し、幕命で創設

IHIは現在、資源・エネルギー。社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の4つを事業領域とする。連結売上高(2022年3月期)は1兆1729億円。グループ企業はおよそ200社で、従業員は約2万8800人。

同社の歴史は古い。1853(嘉永6)年12月にさかのぼる。ベリー来航(黒船来航)があったのはこの年。欧米列強に対抗するため、幕府の命で隅田川河口の石川島(現東京都中央区)に創設された日本初の近代的造船所「石川島造船所」を起源とする。

造船で培った技術をもとに陸上機械、橋梁、プラント、航空エンジンなどに事業を拡大し、日本の近代化に大きな役割を果たした。

合併で石川島播磨重工業が誕生

石川島造船所を源流とする石川島重工業は1960年に、播磨造船所を合併して「石川島播磨重工業」を発足させた。ここに現在のIHIが始まる。社名が長いので、「石播」あるいは「IHI」と略して呼ばれるようになった。

祖業の造船・海洋事業は2000年代初めに本体から切り離し、アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドとして独立。2013年にJFEエンジニアリング、日立造船を母体とするユニバーサル造船と経営統合し、ジャパンマリンユナイテッドを発足させた。

IHIを代表する傑出した経営者といえば、土光敏夫氏。同氏は石川島播磨重工業誕生の立役者で初代社長を務め、その後、再建を託された東芝の社長、会長に就任。第4代経団連会長を歴任した。第二次臨時行政調査会会長として三公社(国鉄、専売公社、電電公社)民営化の道筋をつけたことで知られる。

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文:M&A Online編集部

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