【財務分析】売上増加率は鈍化、積極的に攻めるM&Aが急務 

 一見すると、売上高は右肩上がりだが、売上高増加率が鈍化していることがわかる(下図)。これは前述したMAUの増加が鈍化したことが最大の要因である。一方で、M&Aや提携を通じてサービスの拡充を図っているため、増収が確保されていると言える。裏を返すと、M&Aや提携を推進していなかった場合、MAUの停滞傾向と同様に、売上高も停滞していた恐れがあると考えられる。

LINEの売上高・営業利益の推移

 一方で、資産の状況(下図)は上場を通じて資金調達ができたこともあり、安定した状況である。M&Aにより計上したのれん代も、資本背景が厚くなったこともあいまって、資産に占める割合としては低位で推移している。

 しかしながら、アメリカのインターネット企業に目を向けると、FacebookやGoogle、AppleのようにM&Aを活用して企業規模を拡大している企業もあることから、LINEも積極的にM&Aを活用し、「時間を買う」という意識を持たなければならない。安定している現状だからこそ、積極的に目的の実現までの時間を短縮する攻めのM&Aが必要となってくる。

LINE資産の推移

 セグメント別売上高は、それぞれ下記のようになっている。

コミュニケーション LINEスタンプ等
コンテンツ LINEゲーム、LINEプレイ、LINE NEWS、LINEマンガ、LINE MUSIC 等
その他 LINEバイト、LINE Pay等
LINE広告 LINE公式アカウント等
ポータル広告 NAVERまとめ、livedoor等

 気になるのが、コンテンツ事業の伸び率が前年比で90%に留まっている点である(下表)。前年はゲームのヒットにより売上が伸長していた等の理由が考えられるが、今後のLINEの戦略上コンテンツ事業は最重要セグメントであると考えられるため、次年度以降の推移を注視したい。

セグメント(分野)売上高(百万円)前年比伸び率
コミュニケーション及びコンテンツ 85,997 102%
コミュニケーション 29,290 102%
コンテンツ 44,784 90%
その他 11,922 199%
広告 54,707 150%
LINE広告 44,522 168%
ポータル広告 10,186 102%

M&A Online編集部

  また、一般的にコンテンツビジネスはM&Aにより外部より獲得するという発想がなじむ。今までもM&Aや提携を通じてコンテンツの拡充を図ってきたが、今後も同事業分野におけるM&Aが活発になることは間違いないだろう。