取引スキーム

対象事業が、法人各としてひとつ(または複数)の子会社に完全に集約されている場合は、売却は比較的スムーズに実行することが可能になります。単純な子会社売却になるためです。しかし、売却対象事業の範囲と、会社の法人格が一致していない場合、事業譲渡会社分割等のスキームで、対象範囲を切り出すことが必要になるため、これらの検討や手続きには、法務、会計、税務の高度な専門知識と経験が必要となります。

したがって、事業売却においては、取引スキームは、買い手候補との重要な交渉論点の一つとなります。また、帳簿上は切り離すことが可能な資産でも、実際には物理的に分離が不可能な資産がある場合(工場の敷地等)には、そもそも意図した売却が物理的に不可能になることもあります。このような点は、売却検討の初期の段階でできる限り明らかにする必要があります。

PMIのポイント

完全売却が実現すれば、基本的にはPMIは新たな買い手が担うことになりますが、顧客への一定期間の商品供給責任が生じる場合、人材の交流が続く場合、一部資本が残る(または再出資)場合など、撤退後も一定期間関与が必要な場合があります。このような場合は、関与を完全に終了する期限や条件をあらかじめ契約で明確にした上で、できる限り前倒しでこれらを実行し、撤退を完全に完了させることが重要と思われます。

次回は、チャレンジャー、ニッチャー企業が取るべき「起死回生(再成長)型のM&A」についてコラムを書いてみたいと思います。

本記事は、IGNiTE CAPITAL PARTNERS ホームページより転載しております