M&A成立後の統合プロセスのことを「PMI(ピーエムアイ;Post Merger Integration)」と呼びます。規模が小さい中小企業のM&Aであっても、この過程をおろそかにしてはいけません。
特に中小企業のM&Aにおいて、M&Aを成功させるには「従業員や取引先がそのまま引き継がれること」が大前提となります。とある会社では「会社が買収されました」と事務的な報告のみで社長が会社を去り、不安に感じた従業員がその後相次いで退職したそうです。説明がつたないために従業員のモチベーションを下げてしまっては、M&Aがうまくいくはずがありません。
事例はこちらから https://maonline.jp/articles/sunakawa0276
従業員や取引先への説明のポイントは次の2つです。
ひとつは「説明のタイミング」、もうひとつは「説明の仕方」です。
1.説明のタイミング
一般的には、基本合意締結後に、幹部クラスの従業員に「極秘事項」として公表し、最終契約締結後に、その他の従業員と取引先に話すのがよいでしょう。
2-1.従業員への説明の仕方
一同に会して説明することもあれば、心温まる手紙をしたためるオーナーもいます。従業員への説明は、心を込めて説明すること、雇用の継続を伝えることが重要です。
また交渉途中の段階で、内密にM&Aを進めていることを心苦しく感じる経営者もいるようですが、契約が固まるまでは絶対に内密にしておくべきです。情報が漏れて噂があっという間に広がり、あらぬ動揺を招いてしまっては元も子もありません。
2-2.取引先への説明の仕方
主要取引先へは、オーナー自ら直接挨拶に伺い、それ以外への取引先へは社長交代に合わせて書面(挨拶状など)でお知らせすることが多いです。場合によっては、特に重要な大口取引先に対して、最終契約前に内諾を得ておくことが必要な場合もあります。
文:M&A Online編集部
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