集客力の伸び悩みが鮮明に

串カツ田中のビジネスモデルは、新規出店と安売りキャンペーンで客数を引き上げ、売上高を大きくするというものです。しかし、ここ3カ月ほどで出店による集客力も伸び悩みが鮮明になってきました。

昨年対比(%) 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
売上高 135.1 135.1 130.4 129.6 118.6 115.5 125.6
客数 143.2 146.3 141.3 130.9 123 120.7 124.2
客単価 94.4 92.3 92.3 99 96.5 95.7 101.2

上の表は2019年の全店の売上高、客数、客単価です。売上高は2月に150%を超えるなど驚異的な勢いで稼いでいましたが、繁忙期に差し掛かる10月は120%を切りました。12月は125%で着地です。居酒屋業態で昨対120%を超えれば十分な売上といえますが、串カツ田中のこれまでの成長スピードと比較をすると見劣りがします。ちなみに、2018年12月の売上高は161%でした。

串カツ田中のPERは43.3倍です。2期連続で純損失を計上したエー・ピーカンパニー(居酒屋「塚田農場」など運営)は45.7倍。串カツ田中を上回っています。株価が冴えない背景には、今がピークとの見方が潜んでいるのかもしれません。

安売りキャンペーンを乱発

集客手法は安売りに偏るようになってきました。遡って見てみると、毎月3回の安売りキャンペーンを実施しています。居酒屋でここまで値引き企画を実施するのは異例です。目先の売上を落とさないため、顧客を無理やり繋ぎ止めているように見えます。

日付キャンペーン名内容
2019年12月27日2019年12月プレミアムフライデー終日串カツほぼ全品100円
2019年12月23日777円で鶏手羽など食べ放題777円で唐揚げ、鶏手羽串、ポテトフライ食べ放題
2019年12月1日串カツ田中創業祭串カツ全品100円
2019年11月29日串カツ田中のブラックフライデー終日串カツほぼ全品100円
2019年11月21日串カツ田中でボジョレーパーティー女性1,000円、男性1,500円でボジョレー飲み放題
2019年11月11日串カツ田中の日串カツ全品食べ放題1,111円

今後、価格をフックとしたキャンペーンを実施し続けることになり、陳腐化によって集客力が鈍化することはほぼ間違いありません。

長らく掲げている大目標は1,000店舗体制です。今後は関東圏以外にも積極的に出店するとしています。同社の説明を聞く限り、これが市場調査に基づいているとは考えづらいです。

地方店を加速する理由として、串カツ田中が全国規模の認知度を得て、客単価が低く地方でも受け入れられやすい業態であり、実際に地方の売上が好調だから、串カツの需要があるだろうとしています。地方進出の説明としては、決定打に欠けているように思えてなりません。

ロードサイド型の串カツ田中佐野店
ロードサイド型の串カツ田中佐野店(画像は決算説明資料より)

同社は地方攻略として、ロードサイド型(ファミリーレストラン型串カツ酒場)を開発しました。2019年3月に前橋、8月に佐野に出店しています。駅チカの小規模店でのオペレーションを得意としてきた串カツ田中が、不慣れなロードサイド型を市場投入したのです。ファミリーレストランよりも専門性が高い、新たなポジショニングを狙ったといいます。しかし、この分野では焼肉、回転ずしという圧倒的強者がいます。串カツがその牙城を崩せるほどの力を秘めているのか、やや疑問が残ります。

関東圏以外の店舗割合は、2018年11月期の28%から33%まで上昇しています。地方攻略とロードサイド店の成功で、このままの成長力を牽引できるのか。注目が集まっています。

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