2017年度もこうした流れは顕著。上期の新規相談439社(前年同期比26%増)のうち、譲渡相談197社に対して買収相談242社と、売り手市場の様相を呈している。ただ、買収相談に訪れる企業のうち、約9割は買収対象についてあてがない状態という。

 センターでは相手先のマッチングから支援するケースのほか、すでに譲渡や買収の相手先がある場合には弁護士など専門家の紹介を含めて交渉の進め方から引き継ぎ完了までを一貫サポートしている。

〇東京都事業引継ぎ支援センターの相談・成約実績

年度新規相談社数総相談件数成約
2011年度(10月開設)        38社      44件     0件
2012年度    338社    476件     5件
2013年度    490社    745件    11件
2014年度    577社     922件    27件
2015年度    636社     912件    32件
2016年度    679社   1190件    41件
2017年度4~9月    439社     661件    30件

2017年度の成約は60件近くへ。案件の小型化も

 2017年度上期の成約は30件で、内訳はM&Aによる第三者への承継が24件、親族外の役員・従業員などへの承継が6件。2017年度全体の成約は50件台後半が見込まれ、過去最高を更新する。

 成約案件を対象企業の売り上げ規模は小型化する傾向がみられる。2016年度は全体の約4割が売上高1億円未満で、3億円以上が約3割。これに対し、2017年度上期は約5割が売上高1億円未満で、その半数を数千万円規模が占め、3億円以上は約2割という。

「民間のM&A仲介会社が売上高3億~10億円クラスの中小企業の事業承継に積極的にアプローチするようになった。その分、センターへの相談企業が小規模化しているようだ」(木内氏)と話す。 

 事業引継ぎ支援センターは経済産業省の委託事業として2011年に東京都、大阪府、愛知県を手始めに発足し、順次各地に広がり、現在は全国に設置されている。