日本の法律では、人がお亡くなりになると「相続」が始まります。相続とは、お亡くなりになった方の権利義務の一切を、ある一定の親族が承継することです。この一定の親族の範囲は、民法という法律で定められています。
相続人となる方の範囲を以下概観します。
【配偶者】
戸籍上の配偶者が常に相続人となります。したがって、内縁関係の者、離婚した者は相続人とはなりません。
【子】
第1順位の相続人となります。
【直系尊属】
亡くなった方に子がいなかった場合、その方の父母、親御さんがお亡くなりになっている場合は祖父母が第2順位の相続人となります。
【兄弟姉妹】
亡くなった方に子も直系尊属もいなかった場合に相続人となる第3順位の相続人です。
【代襲相続人】
相続人となるべき方が、亡くなった方よりも先に死亡していた場合は、その子が代襲相続人となります。具体的には、亡くなった方の孫、甥っ子・姪っ子などが該当します。
相続の手続を行う場合は、どなたか相続人となるのかを正確に把握することが、もっとも基本的でかつ重要なことになります。というのも、相続手続のほとんどが、原則、相続人全員の関与を求めています。例えば、残された財産を分けるために話し合いをする「遺産分割協議」。この遺産分割協議は相続人等相続権を持っている方の全員参加が必須となります。
一部の相続人だけで行った遺産分割協議はその協議は無効となってしまいますので、改めて相続人全員で協議をやり直す必要があります。
亡くなった方の相続人が誰なのかを調べるには、戸籍をたどっていくことになります。しかし、戸籍を一見しただけで相続関係を正確に把握することは、一般の方にとって困難な場合が多いと思われます。
文:司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所
メルマガCLOSEUP Vol.056 2012.02.29より転載
なぜ、相続において親族間でトラブルが発生しやすいのか? 最大の要因は、「財産にはさまざまな種類がある」という点にある。専門家が解説する。