昨年、中小企業庁は、中小企業のM&A活用促進を目的とした「事業引継ぎガイドライン」を策定、「事業引継ぎハンドブック」にまとめた。また、これまで一部の地域で展開していた「事業引き継ぎ支援センター」を全都道府県に展開、M&Aを活用した中小企業の事業承継を後押しする体制を敷いた。国が事業承継に力を入れる理由はどこにあるのだろうか。また、どこまでサポートしてくれるのだろうか。東京都事業引継ぎ支援センターのプロジェクトマネージャー木内雅雄氏に伺った。

――譲受候補について

 前回も言及しましたが、実は相談者の約半数は譲受希望者です。もし、後継者が不在で譲渡を検討している会社で、自分たちの買収ニーズに合致している会社があれば、ぜひ紹介してほしいと相談に来訪されるわけです。

 業務の拡大、多角化などさまざまな理由がありますが、最近、多いのは人手不足対策です。従業員を個別に募集してもなかなか集まらないので、必要とする人材が在籍する会社を買収してしまおうというわけです。そうすれば商権なども同時に手に入ります。人手不足対策では、IT業界、建築業界、輸送業界などで譲受ニーズが強い傾向があります。

 また、将来、M&Aを事業戦略に組み込んでいきたいといった大企業が、M&Aのノウハウを蓄積するために比較的規模の小さい企業を譲受する目的でセンターに来訪されるケースもあります。(次回に続く)

まとめ:M&A Online編集部

第1回:「事業引継ぎ支援センター設立の背景」を読む

第2回:「事業引継ぎ支援センターの具体的なサポートの仕組み」を読む