中国は2020年3月17日に日本製インフルエンザ治療薬「アビガン」に新型コロナウイルスへの治療効果が認められ、副作用はみられなかったと発表した。

アビガンを治療薬として採用するよう提言するともしており、今後中国でアビガンの使用が急速に進むものとみられる。

日本企業が開発したアビガンとはどのような薬なのか。

胎児に奇形が起こる危険性も

アビガンは他のインフルエンザウイルス治療薬が効かない新型インフルエンザウイルスなどに使われるもので、国が使用を判断した場合にのみ、患者への投与が可能になる。

このため市場には流通しておらず、国が新型インフルエンザなどに備えて200万人分を備蓄している。

現在使用されているインフルエンザ治療薬のタミフルやリレンザは、インフルエンザウイルスが細胞内で増え、細胞の外に出ていくことを防ぐことで治療する仕組み。

アビガンはこの仕組みとは異なり、インフルエンザウイルスが増える際に必要となるRNA(リボ核酸)合成酵素を阻害することでウイルスの増殖を抑える。

新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスであるため、中国が発表したように治療効果が認められたわけだ。

ただ妊娠中の女性に使用した時に胎児に奇形が起こる危険性があるため、妊婦や妊娠している可能性のある人には投与しないことになっている。また、アビガンは精液中に移行するため、妊娠する可能性がある場合は避妊するよう求めている。

一般の問い合わせに対応

このアビガンを開発したのは2018年10月に富士フイルムRIファーマと富山化学工業が統合して誕生した富士フイルム富山化学(東京都中央区)。富士フイルムの100%子会社で、医薬品や関連機器の研究、開発、製造などを手がけている。

富士フイルムRIファーマは1968年に第一製薬グループと米国マリンクロット社の合弁会社として設立。2006年に100%富士フイルムグループとなり、翌2007年に富士フイルムRIファーマに社名を変更した。

一方の富山化学工業は1936年の設立で、2008年に富士フイルム、大正製薬と資本、業務提携を締結。2014年にインフルエンザウイルス治療薬「アビガン」を製品化した。

富士フイルム富山化学ではアビガンに関する一般の問い合わせに対応しており、電話番号(03・5579・5745)を公開している。

文:M&A Online編集部