「おニャン子クラブ」や「AKB48グループ」などを仕掛けた芸能界の重鎮・秋元康氏が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で思わぬ「とばっちり」を受けた。しかも、現時点で15億円近い「損」をもたらしているというから、穏やかではない。なぜ、そんなことになってしまったのか?

KeyHolderの新株予約権を得た秋元氏

その発端は2018年6月18日にKeyHolder<4712>が実施した第三者割当による新株予約権の募集だった。これに応じたのが秋元氏たち「外部協力者」の3人である。この新株予約権の募集は「特に有利な条件ではない」ことを理由に、株主総会の承認を得ることなく実施された。

発表当初は「秋元氏は有利な条件で新株予約権を得た。KeyHolderの株価が上昇すれば株長者だ」と話題になった。秋元氏が得た新株予約権は約2500万株分。これを1株当たり125円で行使できる。すべての権利を行使した場合の出資額は31億円を超えるが、仮に権利行使時点でKeyHolder株が150円に上昇していれば6億円超の、300円に高騰していれば43億円を超える含み益を得られる。

KeyHolderは新株予約権を付与することで「グループ全体のさらなる規模拡大および基盤強化への多大な貢献」を期待した。目論見通り同社は2019年3月にAKSから女性アイドルグループの「SKE48」の運営を譲受するなど、大量の新株予約権を持つ秋元氏がプロデュースするAKB48グループとの関係を強化している。