ステーキハウス運営のあさくま<7678>が寿司をはじめとする和食店を運営する竹若(東京都中央区)を子会社化する。 

ステーキとハンバーグに特化したあさくまと、寿司と和食に特化した竹若の商品開発力を生かし、今までにない融合料理を生み出すことで、新しい顧客の開拓に取り組み客層を拡大するという。 

さらに、あさくまで実施している子供がステーキを焼く「グリル体験」のようなイベントを竹若でも実施する計画で、M&Aを機に、あさくま、竹若ともに店内の様子が大きく変わりそうだ。 

泣かせる竹若を創出 

あさくまが実施している子供を対象にした「グリル体験」は、単に子供がステーキを焼く体験をするだけでなく、子供が両親に感謝の手紙を読むことに重点を置いている。普段言えない感謝の言葉を言えるように子供の背中を押すことが目的で、あさくまではこうした心と心の触れ合うコト体験を「泣かせるあさくま」と称している。 

竹若でも同様に「泣かせる竹若」を実現するとしており、今後子供のほか結婚記念日や還暦の祝いなどでも、普段言えない感謝の言葉を発するきっかけ作りを行うことになる。 

両社の商品開発力を生かした今までにない融合料理については、あさくま、竹若双方の顧客に提供する計画で、ステーキハウス風の寿司や和食、和風のステーキやハンバーグなどが予想される。 

さらに、あさくまはモツ焼きやパスタ、スイーツなども手がけており、竹若も和食だけでなく、スイーツやパンなどの店舗を展開しており、これら商品との融合も考えられる。 

M&Aが業績回復の転換点に 

あさくまは2020年2月10日に、消費税率の引き上げや台風による臨時休業、新規出店の計画未達などを理由に、2020年3月期の業績を下方修正した。 

それによると2020年3月期の売上高は当初予想を7.7%下回る92億8600万円(前年度比1.7%減)、営業利益は当初予想比51.9%減の4億200万円(同36.6%減)、経常利益は同50.7%減の4億2400万円(同37.5%減)、当期純利益は同62.1%減の2億200万円(同49.5%減)と大幅な減収減益となる。 

一方の竹若も2019年1月期の売上高は前年度比9.4%減の22億7300万円と振るわなかった。利益は営業利益、経常利益ともに増益となったものの利益率は低く、当期純利益は同16.7%減の500万円にとどまった。 

あさくまは「ステーキと寿司の融合が今後の成長戦略のために重要」としており、今回のM&Aを業績回復に向けた転換点と位置付ける。果たしてどのような融合料理が登場するのか。消費者はもちろん投資家の関心も高そうだ。

あさくまの沿革
1948 創業
1962 愛知県でドライバーズコーナーキッチンあさくまを創業
1976 あさくまディナーを合併
1977 キッチンあさくまを合併
1979 関東進出
2006 テンポスバスターズと資本・業務提携
2014 イタリアンビュッフェレストラン南イタリアの台所パルティーレを開店
2019 東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に上場


竹若の沿革
1988 築地活魚料理さかな竹若築地本店(高級日本料理)を開店
1992 築地活魚料理さかな竹若池袋店(高級日本料理)を開店
2005 松玄凛銀座(手打ち蕎麦・和食)を開店
2005 パティスリー Plume新浦安店(洋菓子)を開店
2012 石臼挽き十割蕎麦&酒蔵巡り蕎麦家 竹若を開店
2013 PASTA&TAPAS VOLPUTAS ORIVEOIL DINING TOKYOを開店
2014 そのいちを開店
2014 牛かつを開店
2015 おか福を開店
2016 茶cafe竹若を開店

文:M&A Online編集部