筆頭株主の前田建設工業による敵対的TOB株式公開買い付け)の渦中にある前田道路が二の矢を放った。

5%程度の株式持ち合いを検討

27日、同業最大手のNIPPOと資本業務提携に向けた協議を始めると発表した。5%程度の政策的株式の保有(いわゆる株式持ち合い)を検討する。一方、TOBを仕掛けた側の前田建設はこの日、3月4日としていた買付期間を3月12日まで延長した。

前田道路とNIPPOの両社は、国内建設需要の縮小や深刻化する人手不足など厳しい環境を踏まえ、経営の効率化や防災・減災の対応力強化を進めるとしている。前田道路は道路舗装大手8社中、NIPPOに次ぐ業界2位で、資本業務提携が実現すれば、強者連合の誕生となる。

もっとも、前田道路にとっては別の思惑が見え隠れする。前田建設にTOB撤回の決断を促すためのダメ押しとする狙いが込められている。

「建設」側、TOB撤回の条件が整う?

前田建設はTOB実施に際し、前田道路が純資産額の10%に相当する額(約203億円)を配当として支払う議案を株主総会に提出する場合はTOBを撤回する可能性があるとしていた。対抗策を検討していた前田道路は2月20日に、総額535億円の特別配当を実施する計画を発表。これにより、前田建設がTOBの矛を収める条件が整う状況が生まれた。前田道路は4月14日に特別配当の賛否を問う臨時株主総会を開く運びだ。

前田建設が本社を置く…東京・飯田橋

そこに次の一手として27日明らかになったのがNIPPOとの資本業務提携。前田建設は決定した事実はないとしながらも、TOB撤回条件にあてはまる事由が生じたとして、同日、買付期間を当初の3月4日から6営業日延長して3月12日までとすることを発表した。

前田道路の株式約25%を保有する前田建設は1月21日にTOBを開始。約861億円を投じて持ち株比率51%に高め、前田道路を子会社化することを目指している。前田道路は「相乗効果が見込めない」としてTOBに反対し、対立姿勢を鮮明にしていた。

前田建設グループの身内同士の対立劇だが、今、双方にとって胸突き八丁に差し掛かっている。

文:M&A Online編集部