一向に衰える気配が見えない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大。2020年3月5日に大阪大学と共同で同ウイルスの予防用DNAワクチンの開発に着手すると発表したアンジェス<4563>。翌6日の同社株価は前日比100円高の607円に上昇した。

新型コロナ向けワクチンの開発を発表したが…

ところが週明けの9日には急反落して一時ストップ安の507円まで売り込まれ、その後は下値をさらう形で再浮上して532円で引けている。非常に有望な研究を公表しながら株価が乱高下するアンジェスとは、どんな会社なのか?

同社は創業者でもある森下竜一大阪大学医学部助教授(当時)の研究成果をベースに、1999年12月に設立したバイオ製薬ベンチャー。遺伝子治療薬や核酸医薬、遺伝子の機能解析向け試薬などの研究開発に取り組む。2002年9月には、大学発創薬型バイオベンチャーとして東証マザーズ市場に初上場したことでも知られる。

2019年3月には重症の動脈硬化に伴う安静時の痛みを緩和する「コラテジェン」が、遺伝子治療薬としては国内で初めて厚生労働省から承認を受けた。

遺伝子治療薬としては国内で初めて厚生労働省から承認を受けた「コラテジェン」(同社資料より)

森下氏は知的財産戦略本部本部員や内閣府規制改革会議委員、健康医療戦略本部戦略参与、大阪府・市統合本部医療戦略会議参与、日本万博基本構想委員、内閣府規制改革推進会議委員を歴任するなど、行政とのつながりも深い。今回の予防用DNAワクチンの開発にも森下氏が係わる。

一般的なワクチン製造法ではウイルスを鶏卵などで培養するため1年以上かかるが、アンジェスのDNAプラスミド技術を利用すれば半年ほどでワクチンを製造できるという。森下氏は2020年3月5日の記者会見で「すでに動物実験用のワクチンは製造段階にあり、半年後には臨床試験を始める予定」と話している。