複数のアナリストによると、米アップルが2020年3月に満を持して発売する低価格モデル「iPhone SE2」(「iPhone 9」になるとの予想もある)の最低価格(以下同)が初代「SE」と同じ399ドル(約4万4000円)に固まったようだ。現在、公式販売している最廉価で2世代前(2017年モデル)となる「iPhone 8」の449ドル(日本価格は5万2800円)よりも低く設定することになる。

なぜアップルは「低価格モデル」を復活するのか

「SE2」はボディーサイズとデザインこそ「8」を踏襲するが、頭脳となるCPUは現行モデルの「iPhone11」や「同Pro」と同じA13 Bionicチップを採用する。クロック周波数を「11」よりも低く設定する可能性もあるが、「8」のA11 Bionicチップに比べれば遥かに高速だろう。第5世代移動体通信規格(5G)やカメラ機能にこだわらないのであれば、お買い得のモデルといえる

アップルは2018年9月の「iPhoneSE」販売停止(一部の通信事業者では販売が継続されている)以来、1年半にわたって低価格モデルの投入を見合わせてきた。現在は「8」のような旧モデルを値下げして販売している。ここに来て、全く新しい低価格機を投入するのはなぜか。

アップルは「iPhoneX」を投入した2017年以来、高価格戦略を維持している。「X」は米国で999ドル、日本では11万2800円で発売され、「パソコンより高いスマートフォン」と消費者を驚かせた。現行の上位機種「11 Pro」も999ドル、10万6800円と相変わらずの高価格を維持している。

アップルは「iPhone X」で高価格路線に踏み込んだ(Photo by William Hook)

この高価格戦略が裏目に出てiPhoneは2019年前半に深刻な販売不振に陥り、「8」などの旧モデルが売れるという異常事態に。そこでアップルは主流モデルの高価格路線は維持しつつも、低価格モデルで販売台数を補完する戦略転換を図った。