近年、日本でも企業買収、M&Aが進んでいる中、新聞やテレビなどのニュースで「子会社化」という言葉を目にすることがあります。最近では、「大手電気通信会社のKDDI株式会社が、体験型商業施設・キッザニアを運営するKCJ GROUP株式会社を子会社化し、今後はIoTを活用した新しい職業体験を提供していく」といったニュースがありました。

今回は、買収と子会社化との違い、子会社化することによるメリットとデメリットについて、お伝えします。

1.買収と子会社化との違い

<買収と子会社化>

買収買収とは、ある企業が他企業の発行済株式を買い取り、他企業の経営権を得ることです。ある企業は、他企業の株式を買い取る割合によって、他企業の経営を支配できる範囲が決まります。例えば、ある企業が他企業の議決権を有する株式の過半数を買い取ることで、取締役の選任・解任や配当金の決定など、普通会議による決定事項を決める権利を得ることができます。
また、ある企業が他企業の議決権を有する株式の3分の2以上を買い取ることで、定款変更や組織再編の承認など、特別会議による決定事項を決める権利まで範囲が広がります。
子会社化子会社化とは、買収においては、ある企業が他企業の発行済株式の過半数以上を買い取ること、企業内においては、特定の事業部を独立させて法人を設立することです。子会社は親会社の傘下にある企業であり、親会社は自社の傘下にある他企業の経営の意思決定を支配することができます。実質支配基準によっては、発行済み株式の買い取りが過半数未満であっても子会社化となる場合があります。
単なる「子会社化」は、一部保有している自社の株式を証券取引所などで売買することができます。よって、少数特定者持株比率が一定割合を超えなければ、親会社、子会社、両方の上場も可能です。
一方、「完全子会社化」は、親会社が子会社の全ての株式を保有することになるため、子会社は自由に株式を売買することができず、独自で上場することはできません。

次に、子会社化する場合のメリットとデメリットをみてみましょう。