近年、我が国で起こっている後継者不足の問題から、M&Aによる事業承継を選択する企業が増えています。 

M&Aの形態には、合併新設合併吸収合併)、株式買収(株式譲渡株式移転株式交換)、事業譲渡会社分割(新設分割、吸収分割)、資本提携(第三者割当増資)といった、様々なパターンがあります。

これらのパターンのうち、「株式譲渡」は、株式を持つ株主と買い手企業による売買によって経営権を移転する方法です。一方、「事業譲渡」は、売り手企業の保有事業に関連する資産・負債の全部または一部を買い手企業に売却する方法です。

そして、事業譲渡と似ているものとして、「営業譲渡」という言葉があります。そこで今回は、事業譲渡営業譲渡との違い、事業譲渡におけるメリットとデメリット、この2つについて説明します。

営業譲渡事業譲渡の違い

2006年(平成18年)、会社法と商法の大改正がありました。その時、旧会社法で使用していた「営業譲渡」が、新会社法で「事業譲渡」という呼称に改められました。呼称が変更しただけで、事業譲渡営業譲渡はほぼ同義です。どちらも、「売り手企業が自身の保有する事業に関連する資産・負債の全部または一部を買い手企業に売却する」という意味です。

今でも使われる営業譲渡

ただし、今でも営業譲渡という呼称が使用される場合があります。それは、商法が適用される場合です。法律行為の当事者は、会社法では会社のみですが、商法では会社のほかに個人の商取引も含まれます。