ビズサプリの三木です。近年のIT技術の発達は目覚ましく、「ホワイトカラーの仕事は無くなる」「特に会計士の仕事は無くなる」などともいわれています。
今回は、本当にIT技術がホワイトカラー、特に経理部門の仕事を奪うかどうかを考えてみます。
様々なIT技術が話題となっていますが、特にホワイトカラーに影響が大きそうなものにAIとRPAがあります。
AIは人工知能(Artificial Intelligence)のことです。近年特にAIが注目されているのは、ディープラーニングという学習方法によってAIの能力が飛躍的に高まったためです。
ディープラーニングでは、人間の神経回路を模したようなコンピュータの回路を使い、コンピュータ自らが様々なデータにアクセスして試行錯誤することで複層的にデータ同士の関連性を見出し、判断力や分析力を磨いていきます。
人間が教えるわけではないのが特徴で、データさえ与えれば勝手に賢くなっていきます。この技術のおかげで、将棋や囲碁のソフトはプロ棋士でも思いつかない手を打つようになってきました。
RPAはRobotic Process Automationの略で、ロボットを使って業務を自動化していくことです。ロボットといっても工場の製造ラインにあるようなものではなく、コンピュータの中にあるプログラムです。Excelに慣れている方ならマクロが更に発達したようなイメージを持っていただくと近いかもしれません。
ただしマクロとは違い、様々なシステムにアクセスして操作をすることができます。例えば、RPAが会社の基幹システムにアクセスして期日を過ぎても入金がない債権をリストアップし、それぞれの担当者に未入金を知らせるメールを送り、その回答を一覧表にまとめる、といったことが可能です。こうした作業をコンピュータが行うこと自体は目新しくはなく、システムの中に未入金お知らせ機能を作り込んでおけば以前から可能ではありましたが、RPAではシステムの外側で気軽・安価に追加機能を付け足せる点がメリットとなっています。
現状では、経理の実務に耐えうるAIの開発にはまだ時間がかかる印象です。
比較的単純な判断業務であればともかく、経理業務全体となると、税務、資金繰り、対外的な決算発表、不正の防止など考慮要素が案外多く、まだまだ人間の判断力や方向づけには追い付けていないと感じます。
むしろ経理業務と相性が良いのがRPAです。多額の資金を投じてシステム開発するほどではないため人が毎月やっている単純作業などは案外あるもので、RPAで代替できる業務は少なくなさそうです。
仮想通貨による資金調達方法、ICO(Initial Coin Offering)を紹介。会計処理上でのICOの考え方、ICOを行ったメタップスの会計処理の事例も交えながら考察します。