親会社と子会社からなる企業グループにおいて、各社の会計処理は統一しておく必要があるのでしょうか。企業グループが形成されている場合、親会社がグループ各社の決算書を取りまとめて連結決算書を作成することがあります。各社の決算書を合算する訳ですから、同じような取引や事象があった場合には各社で同一の会計処理をしている方が合理的なのは間違いありません。

それでは、制度上、どこまで会計処理の統一が要求されているのでしょうか。以下では、有価証券報告書を提出している会社など企業会計基準に準拠して連結財務諸表を作成する場合を前提として、親会社と子会社の会計処理について確認してみたいと思います。

会計処理は統一するのが原則

会計処理というのは、例えば、売上高であれば「出荷基準」や「先方検収基準」といった認識基準、原材料や商品であれば「先入先出法」や「移動平均法」といった評価方法などの会計ルールのことを指します。こうした会計処理の方法には、複数の中から選択できるものも多いため、同じ取引や事象であっても会社によって異なる方法を採用している場合があります。

連結財務諸表を作成する際のルールを定めた「連結財務諸表に関する会計基準」によると、親会社と子会社の会計方針は「同一環境下で行われた同一の性質の取引」については原則として統一することとされています。つまり、会計処理などの方法は基本的には統一しなければなりません。

いくつかの例外も認められている

ただし、実務上の負担などを考慮して一定の例外も認められています。例えば、棚卸資産や有価証券では「先入先出法」や「平均法」などの評価方法については事業セグメントごとに統一することが望ましいとしながらも、財政状態、経営成績などに重要な影響がないことを前提に必ずしも統一を要求していません。

また、固定資産では「定額法」や「定率法」などの減価償却方法については事業セグメントに属する資産の種類ごとに統一することが望ましいとしながらも、事業場単位で償却方法を選択することを認めています。