法人向けサービスへ軸足

 直近の動きをみると、日本エンタープライズは個人向け(B2C)サービスから法人向けサービスへ重点を移しているようだ。2017年5月期連結決算では、ゲームや交通情報といった主に個人向けのコンテンツサービス事業の売上高が同18.1%減の17億9700万円と低迷。これに対して法人向けのソリューション事業の売上高は広告代理業や海外などで下げ幅が25%を超える大幅減だったものの国内の受託開発が好調だったため、同8.8%減の30億4000万円に踏み止まった。

 ゲームや個人向けの情報サービスは勝敗が明確に分かれ、勝者はますます巨大になっている。ゲームでは開発費が10億円を超えるのは当たり前で、200億円以上注ぎ込む超大作まである。かつてのように数百万~数千万円の開発費でヒットを飛ばすのは難しくなっている。一方で道路情報や情報検索、サービス仲介といった個人向けの情報サービスは米グーグルやヤフー、楽天トラベル、クックパッドなどの大手がプラットフォームを握っている。圧倒的な開発費とスタッフを抱える大手の前には、優れたアイデアがあったとしても買収されるか潰されるかの二者択一と言っていい。

 唯一の生き残り策は法人向けサービスだ。個人向け情報サービスは、企業や官公庁にとって自分たちの業務に最適化されていないため使いにくい。個人であれば彼らがサービスに合わせて使ってくれる。しかし、法人の場合、サービスに合わせて使うということは、自分たちの業務プロセスや文書の書式を一新するということだ。それならばお金を払ってでも、自社の業務に合わせてくれるオーダーメード型サービスを求めるのは当然といえる。

 日本エンタープライズは、そこに目をつけた。個人向けサービスでは開発してもヒットしなければ売り上げは上がらないが、オーダーメード型の法人向けサービスでは受注すれば間違いなく売り上げが上がるというメリットもある。さらにプラットフォームで莫大な利益をあげている大手は、手間がかかるオーダーメード型の法人サービスには手を出しにくい。

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法人向けサービスで活路