大手水産業の転換に対応した事業展開

戦後、昭和30年代になると漁業の規模拡大で、大手水産会社が総合食品会社への転換に動きだす。水産業の大きな転機を受けて、同社は新たに食品包装資材や食品加工機械、食品分野などへ進出する。船具部内で誕生した物資課は1960年に食品包装分野へ参入した。

漁船内で冷凍作業が入るようになったことから、釣り上げた魚を保存する木箱に代わる耐水ダンボール箱に着目。同社の研究チームが原紙メーカーや水産会社と共同研究して、いちはやく実用化した。スーパーでの鮮魚販売に対応するため、包装材や流通用トレーなども展開。後にこの技術を利用して、建材用・内外装向けフィルムなど水産業とは別の業界向けの製品開発している。

1961年には総合食品工場の加工機械を受注。これが食品加工機械へ参入するきっかけとなった。すると、高度成長とともに日本の加工食品市場も急速に拡大する。これを受けて水産物を水揚げ前の新鮮なうちに加工したいというニーズが急増。すり身加工船向けにさまざまな処理機や加工機械を提供したほか、工場向けに水産加工機械の販売にも乗り出す。

食品加工機械を供給するとなれば、自社でも水産品加工をやってみようということになるのも自然な流れだ。同社は1967年に冷凍すり身の本格販売に乗り出す。利用価値の低いといわれていたスケソウダラのすり身を、カマボコやチクワの材料として供給して高い評価を受ける。

1980年には辛子明太子の生産に乗り出したほかカニなどの原料買い付けを手がけ、従来の原料販売からその加工と製品販売へと乗り出し、川上から川下までを一貫してサポートする食品事業に発展した。

2013年にはアルゼンチンで水産物や水産物加工品の製造・販売を手がけるサンアラワS.A.の株式保有比率を13.92%から80.00%に引き上げて子会社化するなど海外調達の強化を図った。しかし、大幅なインフレやアルゼンチンペソの下落などでサンアラワは債務超過に陥り、全株をノルウェーの水産業者ペスカマールホールディングASに譲渡している。M&A戦略の切り替えも速い。

カニの買い付けにも参入した(同社ホームページより)