【海帆】M&Aで事業拡大 新しい分野への進出にも一役

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東京・秋葉原の店舗

2023年3月期は6期連続の赤字か

海帆の2022年3月期は、コロナ前の2020年3月期と比べると、売上高は5分の1ほどに減少しており、さらに黒字だった2017年3月期と比べると売上高は8分の1という壊滅的な状況にある。

緊急事態宣言やまん延防止重点措置などにより、店舗の臨時休業や時短営業、アルコール提供の自粛などに加え、不採算店の撤退などを行ったことなどから、極端な売り上げの減少を余儀なくされた。

損益の方も思わしくなく、2018年に営業、経常、当期のすべての段階で赤字に転落したあと、現在に至るまで水面下に沈んだままだ。赤字幅の縮小傾向は見られるものの2023年3月期も6期連続の赤字は免れそうにない。

というもの同社は2023年3月期の業績予想を未定としており、さらに決算説明資料で「まずは、単月での黒字化を目指す」としているためで、通期での黒字化は難しい状況にある。

【海帆の業績推移】単位:億円

ただ、単月での黒字化の道筋ははっきりとしている。同社はコロナ禍の影響の大きかった2021年3月期と2022年3月期の2期は、新規出店をゼロに抑え、直営店54店の撤退を実施した。

2023年3月期は新規出店を再開することにしており、これによって利益を生み出す計画だ。さらに、2022年3月期に進めた「新時代」への業態転換も継続し、赤字の解消を進めるという。

そしてもう一つ取り組むのが、出店エリアの拡大だ。同社はこれまで東海エリアを中心に店舗展開を進めてきたが、今後は関東エリアへの出店を積極化する考えだ。人口密度や乗降客数、従業員採用の効率性などを考慮し、投資効率の良いエリアに進出する。

また、従来は家賃を売上高の8%程度に抑えてきたが、関東エリアでは10%前後に引き上げることも辞さない考えだ。コストが膨らんでも顧客の満足度が高い店舗を作ることで、収益を上げようというものだ。

飲食以外の事業にも参入

こうした積極策に加え、全く新たな分野への進出も選択肢の一つとして掲げた。

コロナ禍は外食産業に大きな打撃を与えた。業界団体の調べでは、2020年の業界全体の売上高は前年度に比べ10%強のマイナスとなり、2021年は減少幅は縮小してはいるものの前年割れは避けられなかった。

中でも居酒屋などの落ち込みは激しく、2020年は50%ほどの減少となり、2021年も40%強のマイナスとなった。

同社は居酒屋事業をメインに展開しているため、もろにコロナ禍の影響を受けた。そこで打ち出したのが外食以外の事業への参入というわけだ。

同社では飲食事業の新たな業態を獲得する手段としてM&Aの活用を計画しているが、飲食以外の事業の取り込みについても、M&Aが一役買う場面は十分予想できる。同社の今後の成長にM&Aは欠かせない存在となりそうだ。

文:M&A Online編集部

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