新たなプラットフォームビジネスの芽も

今後のHameeの方向性を示唆するM&Aもある。2019年5月にモバイルアクセサリー・雑貨販売の台湾子会社Hamee Taiwan(台北)のネット通販事業を、現地で服飾品や家庭用品などの販売を手がけるArmigo(新北市)に譲渡した。譲渡価額は非公表で、Hamee Taiwanは事業譲渡後に解散した。

経営の軸足を祖業であるモバイルアクセサリー通販から、ECサイトを支援するプラットフォームサービスに移した証拠といえよう。インターネットを利用するIT業界で圧倒的な存在感と利益を得るのはネット通販事業者のような個々のプレーヤーではなく、楽天やアマゾンといったプレーヤーに営業の場を与えるプラットフォーマーだ。Hameeが「ネクストエンジン」というプラットフォームビジネスに力を入れるのも当然だろう。

「ネクストエンジン」に続く、新たなプラットフォームビジネスにつながる動きもある。神奈川県が推進する「SDGsつながりポイントシステム」事業に、Hameeも参画しているのだ。同事業は面白法人カヤック<3904>が開発したQRコード地域通貨アプリ「まちのコイン」を利用した地域活性化の取り組み。

同事業の実証実験は2019年11月にカヤックが本社を置く鎌倉市で始まり、2020年2月には小田原市でもスタートした。「まちのコイン」は「人と会ってコミュニケーションする」ことを前提につくられたユニークな地域通貨。地域活動などに参加すると獲得できる。手伝いをしてコインをもらったり、コインをつかってお店が用意した特別メニューや体験と交換したりできる。

Hameeは地域通貨を使った町おこし活動にも参画している(「まちのコイン」ホームページより)

地域通貨は地元のリアル(実)店舗での使用が主流だが、全国に顧客を持てるECサイトで利用できるようになれば利便性が向上し普及が進むだろう。ただ、地域通貨の種類は多く、それぞれのシステムに対応するのは大変な手間がかかる。

ここに「ネクストエンジン」のようなプラットフォームを提供できれば「全国に通用する地域通貨」を実現し、地域振興を支援する輪が広がるだろう。クラウドファンディングやふるさと納税支援サイトに続く、新たな地域支援インフラとなる可能性もある。