祖業を生かしてEC支援サービスへ

Hameeはモバイルアクセサリーに頼るだけの「一本足経営」ではリスクが大きいと考え、第2の「経営の柱」を模索する。それが2007年11月に自社ECサイト向けに開発した、クラウド型バックエンドソリューションシステム「ネクストエンジン」だ。

開発のきっかけとなったのはネット通販事業の拡大だった。「iFace」ブランドのアイテム数が増え、自社サイトだけでの販売では追いつかなくなったため、楽天やアマゾン、Yahoo!ショッピングなどのECモール(電子商店街)にも出店する。

おかげで売り上げは大幅に伸びたものの、バックヤード(裏方)の業務も急増した。商品写真を撮影し、説明を書いて商品情報をECモールサイトに掲載、在庫管理やクレジットカード決済、納品書と出荷伝票の作成、注文があった商品をピッキング(棚だし)して梱包し、発送する一連の業務だ。

もちろん自社サイトでのネット通販でも同様の作業は必要だ。しかし、ECモールごとにシステムが異なるため、個別対応が必要となる。売り上げを伸ばすためには複数のECモールに出店せねばならず、一連のバックヤード業務が大きな負担になっていった。

こうした業務の効率化を外部にシステム発注したがうまくいかず、結局は自社で内製化することになる。そこで誕生したのが複数のネットショップを一元管理するプラットフォームシステム「ネクストエンジン」だった。

ネットショップを多店舗展開する場合に、各店舗の在庫の連動や注文の処理が同じ操作ででき、様々な情報が「ネクストエンジン」上で管理できる。受注・発送メールの自動化や発送伝票データの自動作成など、あらゆるバックヤード業務に対応し、ネットショップへの導入が進む。

ネットショップの多店舗展開を支援する「ネクストエンジン」(同社ホームページより)

Hameeは自社開発した「ネクストエンジン」を機能強化するためのM&Aにも取り組んでいる。2018年4月に、ECコンサルティング事業を手がけるJSコンサルティング(東京都渋谷区)の全株式を3億5000万円で取得し、子会社化した。

同社は自社ECサイトや楽天市場、アマゾン、Yahoo!ショッピングなどでのサイト分析・レポート作成や制作代行をEC事業者向けに展開。HameeはJSコンサルティングの子会社化により、「ネクストエンジン」のサービス領域をバックオフィスからフロントオフィスへ拡張できるなど事業拡大においてメリットが大きいと判断した。