【フマキラー】コロナ禍の中、好業績を背景に9年ぶりのM&A

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フマキラーの殺虫剤は蚊などの害虫から人々を守る(写真はイメージです)

協力体制構築で成長

フマキラーは、9年ぶりのM&Aとなったシンジェンタジャパンからのフラワー事業の譲受について、シンジェンタとフマキラーの協力体制が整うことで、同事業の継続的な成長が可能になったとしている。

シンジェンタジャパンのフラワー事業に在籍している従業員はフマキラーに転籍する予定で、事業譲受後はシンジェンタフラワー製品のほとんどを日本市場で独占的に取り扱う。

M&Aの相手方であるシンジェンタは、スイスに本社を置くアグリビジネス企業で、世界の90カ国で2万8000人の社員が活動している。日本法人のシンジェンタジャパンはフラワー事業のほか、アグリビジネス事業、野菜種子事業、プロフェッショナルソリューション事業(ゴルフ場用農薬など)を日本で展開している。

両社の間にはどのような協力が生まれるだろうか。

フマキラー自体がM&Aの対象に

このM&Aの9年前の2012年に取り組んだのが、アセアン市場で殺虫剤製造販売事業を手がけるマレーシアのテクノピアと、インドネシアで殺虫剤製造販売事業を手がけるテクノピア・ジャカルタの2社の子会社化。

アセアン市場での事業基盤を強化し、成長を加速させるのが狙いで、子会社化のあとテクノピアをフマキラーアジアに、テクノピア・ジャカルタをフマキラーノモスにそれぞれ社名を変更するとともに、株式の保有割合をそれまでの70%から100%に引き上げ、完全子会社化した。

また、この企業買収以前にはフマキラー自体がM&Aの対象となったことがあった。殺虫剤首位のアース製薬<4985>がフマキラーとの経営統合を狙いに、2007年ごろからフマキラー株を買い増していた。

大量保有報告書によるとアース製薬は2009年にフマキラー株の11.11%を保有しており、その後2011年に0.63%分を手放し保有割合を10.48%としたあと、経営統合を断念し同年に家庭用芳香剤などを手がけるエステー<4951>に全保有株を売却した。

エステーは2010年にフマキラー株の15.1%を保有し、2011年に保有したアース製薬分と合わせ、保有割合を25.58%に高めた。その後2014年に15.1%を手放し、保有割合を10.48%に引き下げた。現在も保有割合は変わっておらず、フマキラーの筆頭株主の座を維持している。

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『ごきぶりホイホイ』や『アースノーマット』、『モンダミン』等で有名なアース製薬は、殺虫剤などの衛生薬品の製造・販売を行い、フマキラー、エステー、小林製薬とともに日本を代表する日用品メーカーである。大塚製薬の傘下に入り、最近は国内外の企業とのM&Aや業務資本提携を積極的に進め海外展開を図る。株価もヒアリ特需が追い風となり右肩上がりだ。