3年前、ショッピングバッグの大洲を子会社化

光村印刷HP:ショッピングバッグ事業

光村印刷にとってM&Aは新村印刷のケースが初めてではない。2015年3月、海外ブランドのショッピングバッグの販売を手がける大洲(東京都文京区)を子会社化した。ショッピングバッグの製造を含めて、店頭で使われる各種印刷物を幅広くサービス提案する体制を整えた。印刷事業のすそ野を拡大する狙いだ。

古くは1994年、経営不振に陥っていた老舗印刷会社の細川活版所を吸収合併した。現草加工場(埼玉県草加市)は細川活版所から引き継いだ。以降、川越、草加、那須の3工場体制を維持している。

光村印刷の原点は「美の再現」。創業者、光村利藻の志は美術や芸能、風景といった「美」を再現し、多くの人に感動を与えたいというものだった。1901年に神戸で関西写真製版印刷合資会社を設立し、写真や印刷技術の向上に情熱を注いだ。その3年後、米セントルイスで開かれた万国博覧会に木版画『孔雀明王像』(167×102㎝、摺り度数1300以上)を万国博覧会に出品し、名誉金牌を受賞した。

売上高200億円が再び視野に、「本業」でのシナジーをどう発揮

東京・大崎の本社

曲折を経て1918年に東京に場所を移し換え、光村印刷所を開業(1928年光村原色版印刷所に改称)。「美術印刷の光村」として頭角を現した。戦後は1949年、教科書の出版を目的に光村図書出版(東京都品川区)を設立し、現在は関連会社となっている。裏カーボン紙、変造防止小切手といった新技術もいち早く確立した。すでに述べてきた通り、紙の印刷だけでなく、デジタルメディアのコンテンツ制作や電子部品製造への事業領域を広げ、今日にいたる。

今回、新村印刷を傘下に収めることで、光村の売上高は単純合計で194億円となる。2010年3月期(売上高209億円)を最後に遠のいている200億円の大台も視野に入ってくる。電子部品製造事業の収益立て直しはもちろんだが、新村印刷との事業連携を通じて「本業」部分でのシナジーをどう引き出せるのかが復活のカギを握る。

主な沿革
1901 創業者、光村利藻が神戸に関西写真製版印刷合資を設立
1906 光村合資会社に改称
1918 東京・神保町に光村印刷所を開業
1928 光村原色版印刷所に改称
1936個人会社から株式会社に改組
1946 教科書の出版を目的に光村図書出版を設立
1961 東証2部上場
1967 光村印刷を埼玉県川越市に設立
1990 光村原色版印刷所、光村印刷を合併
1991 社名変更し、光村印刷とする
1994 細川活版所と合併
1996 本社ビル(東京・大崎)を完成
2002 東証1部上場
2015 印刷物の企画、ショッピングバッグ類販売の大洲(東京・小石川)を子会社化
2018 印刷業の新村印刷(東京・九段)を子会社化

文:M&A Online編集部