1992年にM&Aを始動、北関東に勢力圏を広げる

エコスは現会長の平富郎氏が1957年に青果物の行商を始めたことを原点とする。1965年に、たいらや商店(1991年、たいらやに社名変更)を設立して法人化。1977年にスーパー事業に進出し、東京のベッドタウンである多摩ニュータウンに1号店を開店した。東京・多摩地区では「たいらや」の名前が今も広く浸透している。

現在は群馬県を除く関東一円に店舗(一部福島県を含む)を展開し、その数は113店舗。内訳は東京16、千葉8、神奈川3、埼玉17、栃木31、茨城35、福島3。なかでも北関東での分厚い店舗基盤が際立つ。M&Aを通じて勢力圏を広げたのだ。

その手始めは1992年、埼玉県で14店舗を運営する味好屋(埼玉県鶴ヶ島市)との合併。埼玉県ではさらに1998年に西友系スーパーから3店舗を取得した。現在の17店舗に与野フードセンターの15店舗が加わり、県内店舗は一気に倍増する。

エコスはグループで「エコス」「たいらや」「TAIRAYA」「マスダ」の4ブランドを持つ。「エコス」「TAIRAYA」はエコス本体、「たいらや」「マスダ」は子会社の店舗で用いている。

このうち、栃木県宇都宮市に本拠を置くのが「たいらや」。1997年に宇都宮市で地元企業からスーパー事業を取得したのを機に、たいらや北関東(現たいらや)を設立し、県内で本格展開に乗り出した。M&Aも旧上野百貨店(宇都宮市)のスーパー部門を傘下に収めるなどの数店規模の案件にこまめに取り組んできた。

茨城地盤のハイマートと合併し、エコスに社名変更

茨城県内では現在、グループ最多の35店舗を展開する。1999年に、地元の有力スーパー、ハイマート(筑西市)と合併したことが大きい。この合併に際し、社名を現在のエコスに変更した。

その茨城県では「マスダ」の名称で9店舗が含まれる。2004年に、マスダ(常総市)とやまうち(石岡市)の2社を子会社化し、08年には両社合併により「マスダ」として再スタートさせた。

2014年には、食品の物流受託を主力とするグルメン(東京都港区。破綻開始決定)から一部事業を取得した。エコスは同社に所沢物流センター(埼玉県所沢市)の業務運営を委託し、再生スポンサーとして名乗りを上げていた経緯から、関連する物流事業とスーパー事業を取り込んだ。

こうして振り返ると、今回の与野フードセンターの買収はエコスへの社名変更のきっかけとなった1999年のハイマートとの合併以来、売上規模や店舗数の点で約20年ぶりの大がかりなM&Aといえる。

主な沿革とM&A
1965 たいらや商店を設立
1977 多摩ニュータウンにスーパーマーケット1号店として愛宕店を開店
1984 たいらや商店を改組し、スーパーたいらやを設立
1990 ボランタリーチェーンの協同組合セルコチェーンに加盟
1991 たいらや(現エコス)に社名変更
1992 味好屋(埼玉県鶴ヶ島市、14店舗)と合併
1996 株式を店頭登録
1997 エーリスウエノ(宇都宮市)から食品スーパー事業を取得し、たいらや北関東(宇都宮市、現たいらや)の営業開始
1998 ウエルセーブ(西友系、埼玉県新座市))から3店舗取得
1999 ハイマート(茨城県筑西市)と合併し、エコスに社名変更
2001 連結子会社のたいらや北関東が、旧上野百貨店(宇都宮市)のスーパー部門うえのユーマート(3店舗)を子会社化(2002年に吸収合併
スーパー・トップ(旧東食系)から茨城県内の2店舗取得
コマバ(栃木県今市市)から3店舗取得
2003 松菱商事(浜松市、その後にシーズンセレクト)を子会社化
2004 東証2部上場
民事再生手続き中のマスダ(茨城県常総市)を子会社化
やまうち(茨城県石岡市)を子会社化
2005 東証1部に昇格
2008 シーズンセレクトの全株式をマックスバリュ東海(静岡県駿東郡)に譲渡
マスダとやまうちが合併し、「マスダ」(茨城県常総市)に
2014 破産手続き開始のグルメン(東京都港区)の物流事業を取得
2016 連結子会社のたいらやが、サンマリ(仙台市)から栃木県内に持つ3店舗を取得
2019(11月)与野フードセンター(さいたま市)の子会社化計画を発表