日本の90%は中小企業で、その6割が後継者不足に悩んでいる。経営者の多くは、悩みを抱えたまま「どこに相談したらいいかわからない」と途方に暮れている。

中小企業の支援に取り組むFBマネジメントは、こうした現状を踏まえ、マーケティングPR支援、事業承継支援、M&Aアドバイザリー事業体制を強化し、ファミリービジネスの経営者が経営基盤強化、事業承継準備をスムーズに取り組めるよう「ワンストップサービス」の事業を始めた。

様々な問題を抱える経営者に対して、事業承継やM&Aに強い弁護士、会計士、税理士などの専門家とプロジェクトチームを組み、実戦的な課題解決の処方箋を提供する。ファミリービジネスの現状と事業承継支援について、山田一歩社長に話を聞いた。

家業の倒産が起業の原点

経済産業省が先頃、中小企業の約3割にあたる127万社は後継者不在で、団塊の世代が75歳を超える2025年頃には廃業が続出し、650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(GDP)が失われるだろうという衝撃的な予測を発表した。

東京・日本橋に本社事務所を置くFBマネジメントは、ファミリービジネスのマーケティングPR、事業承継、M&Aの支援業務を行っている。「日本初のファミリービジネス専門のコンサルティング・ベンチャー」が謳い文句。

代表取締役の山田一歩(36歳)さんは、やる気満々の若手起業家。机上で考えた理論ではなく、「実働型」コンサルを重視。現場で実践してきた様々なマーケティング手法をノウハウ化し、具体的な戦略をワンストップで提案する。

大学を卒業後、日興証券に入社。資産運用の仕事に携わり、その後大手コンサル会社へ転職。いまのビジネスの基礎を学んだ。転機は29歳の時に訪れた。

祖父母が徳島市でスーパーを経営していたが、大手チェーンが進出したこともあって倒産。コンサル会社に在職中の出来事だった。地方には銀行や税理士がいても、経営相談に乗ってくれるような会社や機関がない。実家の倒産はそのことを強く思い知らされた。

「税理士さんや銀行員は高度なスキルを持っているけど、それがなかなか機能しないという思いがあって、それでファミリービジネスをサポートする仕事をやろう」と2014年に思い切って退職し、FBマネジメントを立ち上げた。

当初は金融機関へ相談に行っても融資を断られ、苦労の連続。何をする会社なのか理解してもらえず、地方の社長たちに「怪しげなものを売る会社では」と思われたらしい。オーナー経営者に電話をかけたり手紙を出したり、地道な努力を続け、市場を開拓していった。その甲斐あって、徐々に軌道に乗ってきたと顔をほころばせる。(次回は7月17日掲載)

文:大宮知信