日本で16番目の自動車メーカー


日本ヴューテックの売上げは右肩上がり、親会社の東科精機を上回るまでになった。松波さんが3つめに設立した日本エレクトライクは、エレクト(電気)とライク(三輪車)を合わせた社名が示すように、商品はEVのオート三輪車である。

エレクトライクは家庭用100ボルト電源で充電可能で、1回の充電で約60キロメートル走行する。同じ大きさの電気自動車に比べて重さは半分以下。不安定で転倒しやすいという三輪車の弱点は、後輪に左右別々のモーターを取り付けて電子制御することで克服した。国交省の自動車型式認定も取得。日本で16番目の自動車メーカーとなった。

オートバイと同様に小回りが利いて、4輪車と同じ積載量。排気ガスを出さないEV車だから、環境にも優しい。乗り降りがスピーディで、効率よく荷物を運べて配送の効率化になる。宅配事業や酒屋の配達など業務用に威力を発揮しそうだ。

昨年5月、息子の松波太郎さん(33)が同社の社長に就任。松波さん(69)は会長に就いた。「僕はもう歳だし、頭の回転も鈍くなってきたので、これからは若い人に任せようと思っています」と冗談気味に、今回の事業承継の狙いを述べる。

東科精機と日本ヴューテックはこれまで通り松波さんが社長を務める。(次回は5月9日掲載)

文:大宮 知信