家業の革小物屋を継いだ元OLの使命感(中)
東屋は創業100周年を機に、オリジナル・ブランド「AZUMAYA」を立ち上げ、小売りを始めた。高級ブランド化に成功すれば、ある程度利益も確保できるし、職人の工賃を上げることもできるとの考えがあった。
大宮 知信
| 2018/3/20
2018.03.20
東屋の6代目社長木戸麻貴さんは、事業承継をどうすべきか悩んでいた時、墨田区の「後継者育成塾」に応募し、1年間経営の基礎を学んだ。そこで問題点の分析をした結果、後継者がいないことが致命的だった。中小企業の人手不足は深刻だ。東屋でも77歳の父親を筆頭に、7人いる職人はいずれも65歳以上。新たな職人を養成しない限り、いずれ廃業せざるを得なくなる。一枚革から財布や小物入れなどを作る匠の技もそこで途絶える...
東屋は創業100周年を機に、オリジナル・ブランド「AZUMAYA」を立ち上げ、小売りを始めた。高級ブランド化に成功すれば、ある程度利益も確保できるし、職人の工賃を上げることもできるとの考えがあった。
大手メーカーの東レ社員だった佐田展隆社長は社会人4年目で家業を継いだ。折りしもそごうが民事再生法の適用を申請。連鎖倒産しそうな時だった。