「日本食店業態、とくに日本的な特徴のある丼物のチェーン店への出資、提携、協業をしたい」。アジア開発キャピタル<9318>のアンセム ウォン副社長はこう戦略と思いを明かす。アジア各国に日本食、分化を広げるのが目的で、出資、買収した企業は長期間の保有を前提とし、実際の店鋪開発、運営を直接指揮する方針だ。

 アジア各国における日本食ビジネスを展開するという本気度は、今年4月に中国福建省福州市に開業する予定のジャパンフードタウン「HonMono」を見れば分かる。グループ企業の福州中城大洋百貨の7階フロア全体で、日本の寿司や懐石料理、鉄板焼、焼肉、お好み焼き、ラーメンなど9店を展開する。日本の「ホンモノ」を提案する大型プラットフォームを構築し、日本食文化事業に本格的に乗り出す計画だ。

中国で日本の「ホンモノ」の味をアピールする

 福州中城大洋百貨に出店する店舗は日本国内と同レベルの料理を提供する。展開フロアの共用スペース、店舗、厨房など、全ての建設施工はアジア開発キャピタルが担う。各店舗は店舗名供与と運営指導、提供料理のメニュー開発などを担当し、実際の店舗運営はアジア開発キャピタルが行う。

 各店舗は売上高などから数%のロイヤリティ―を受け取る仕組みで、各店舗の負担やリスクが少ないため、出店をしやすいというメリットがある。アンセムさんは「このような方式で中国、アジアの市場を開拓していきたい。近いうちに二つ目の案件に着手したい」と意気込む。

グループシナジーを活用し、流暢な日本語でプロジェクトを推進

流暢な日本語を使いこなすアンセム ウォン副社長

 アジア開発キャピタルは香港の投資銀行である新鴻基金融集団の傘下企業。新鴻基グループの企業は、アジアを中心に70社以上あり、そのシナジー効果を最大限に活用できる。

 福州中城大洋百貨のプロジェクトはアジア開発キャピタルの海外事業を担う子会社の、にっぽんインキュベーション(東京都中央区)、和食人材プラットフォーム(東京都中央区)、内装デザイン、施工のVIDA Corporation(東京都港区)などが連携して実施する。マレーシア出身ながら、流暢な日本語を使いこなすアンセムさんの高いコミュニケション能力のなせる業だ。アジアで「ホンモノ」の丼物チェーンが見られる日も、そう遠くないかもしれない。 

文:M&A Online編集部