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若者の街・原宿で 家業の「お米屋さん」を継いだ 人事制度コンサルタント(下)

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「五ツ星お米マイスター」の称号を持つ小池精米店 店主の小池理雄さん

 小池精米店 のウリはブレンド米の技術。 店主の小池理雄さんは5年前にお米屋さんの組合が認定する「五ツ星お米マイスター」の称号を得た。80種類あるお米を細かい注文に応じてブレンドする。

「ブレンドを強調するようになったのは最近です。寿司屋さんから、うちは酢に砂糖を入れてないから、ちょっと甘みのある米が欲しいとか、洋食屋さんからはカレーに合う米を探してきてくれないか」と細かい注文がある。

「五ツ星お米マイスター」を武器に

 ワインのソムリエのように、米の味や品質を言葉で表現する。単に「おいしい」だけではなく、見た目、香り、ねばり、かたさ、うまみ、甘み、食感、のどごしの8項目に分けて、分析し評価する。

「これは人事考課と一緒。あの人は仕事が出来ないといっても、何がどうできないのか、知識がないのかやる気がないのか。具体的に分析し評価をしてあげる。そういう手法をお米でも応用したわけです」

 社長のご自身と従業員を含め6人で店を回している。「仕入れがないコンサルタント会社と違って、粗利が大きい商売ではありませんが、何とか黒字です。あまり多くは望まず、食べていけるだけで十分です」

 食生活の欧風化で米の消費量が減少し、消費拡大が大きなテーマ。「ごはん検定」の本を執筆したり、近くのカフェでお米の食べ比べイベントなども積極的に実施している。地方の講演会に講師として呼ばれることも多い。

「そんなことも僕にとっては新しい挑戦。お米を食べ比べするなんてことは、普通やらないじゃないですか。それが気軽に出来るというので、みなさん喜んでくれます」

 個人商店が激減している。多くの商店街はシャッター通りになってしまったが、どんな商売でもやり方次第では生き残れる、ということを小池さんは証明している。

 昔から「自己実現」という言葉が好きだった。異業種に転身して売り上げを伸ばし、講演などの新たな仕事を生む。同時に生き甲斐にもつながっていることを「いま、強く肌で感じている」。それこそが会社員時代には考えられなかった成功報酬だ。(おわり)


文:大宮知信

大宮 知信 (おおみや・とものぶ)

1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。 


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2018/03/06

小池精米店 店主の小池理雄さんはお米を売ったことがない。それどころか営業の経験もゼロ。名刺の渡し方からお辞儀の仕方まで学び、飲食店の飛び込み営業から始めた。