表具店は俗に経師屋さんともいう。経の字には、物事のすじみちを立てる、管理する、治め整えるという意味もある。「大事なのは、先人がやってきたことをきちっと踏まえて、後世に伝えるということです。自分がやってみて、体験して、自分が出来なきゃプロにやってもらって、それをオーガナイズ(系統立てる)する。それがまさに表具なんです」。

掛け軸や屏風など表装を学べる教室を設置

 巣鴨のショールームでは、和紙や裂地、刷毛、桐箱などを販売する傍ら、掛け軸や屏風など表装を学べる教室も開いている。2階のギャラリーに組み立て式茶室屏風が展示されていた。3畳の広さがあり、持ち運びが簡単にできて、わずか10分で組み立てられるという。筆者も中に入ってみたが、実に良く出来ている。これも設計は表具店「マスミ東京」社長の横尾靖さんだ。

 先代が横尾さんにあとを託したのは、やはり正解だったのではないか。「さー、どうでしょうか。好きなことをやってるだけで、まだまだ発展途上です」。

表具店「マスミ東京」社長の横尾靖さん

子供たちに伝統技術のすばらしさを

 3月1日から3日間、池袋サンシャインシティの大ホールで豊島区内の中小企業が集まって、それぞれ優れた製品や高い技術を展示する「第11回としまものづくりメッセ」が開かれる。マスミ東京も茶室屏風を出品、横尾さんは会場に訪れた子供たちに、日本の先人たちが築き上げた伝統技術のすばらしさを話すことにしている。(おわり)

文:大宮 知信