耳の遠いお年寄りの表情がパッと変わる

難聴者は企業の中にもいる。リストラの要員になりかねないので、耳が不自由であることを言い出せないだけで、実は難聴で困っている人は少なくない。

難聴者はテレビの音だけではなく、自分たちが暮らしているすべての所で、いい〝聴こえ〟を望んでいる。難聴で困っている人たちが普通に聞こえる生活を取り戻せるように、一般の企業はもとより、学校、コンビニ、病院など「あらゆる公共施設で使われるバリアフリースピーカーとして早く普及させたい」というのがサウンドファンの佐藤和則社長の目標だ。

佐藤社長自身も還暦を超えているが、60代から70代のベテラン技術者が中核メンバーとして活躍する「下町シニアベンチャー」の会社でもある。若いベンチャー起業家のように、あまりテンションを上げず「淡々と事業を進めています」と笑顔で語る。

ミライスピーカーを使うと、耳の遠いお年寄りの表情がパッと変わる。

「高齢者施設で実証実験をやると、7、8割の方はよく聞こえると仰る。そのときのお年寄りのうれしそうな顔を見ると、苦労が吹っ飛びますね」

今後はさらに小型化、軽量化を図り。海外にも進出したいという。本格的な販路拡大はこれからだ。(おわり)

 文:大宮 知信