小池精米店の立地は、飲食店だったらこれ以上はないというぐらいの一等地。サラリーマンを続けながら、店を商業ビルにしてテナントを入れれば左うちわで暮らせる。

 店主の小池理雄さんは「それは僕の生き方とは違う。自分の腕でやっていきたい。家賃のアガリで食っていくなんて、ちょっと僕にはできない。米屋という器を生かすも殺すも自分次第ですから、もうからなくても生活ができて子供を育てていければ米屋でいいじゃないかと」

飲食店の飛び込み営業が奏功

 小池さんはお米を売ったことがない。それどころか営業の経験もゼロ。名刺の渡し方からお辞儀の仕方まで学び、飲食店の飛び込み営業から始まった。

「一般家庭を訪問して、いきなりお米どうですかとやるわけにはいかないから、ここら辺の飲食店を片っ端から回り始めたんです。一日20軒ぐらい回りました」

 飲食店が売上の7割を占める。基本的にBtoB(企業間取引)の商売だ。「飲食店は定期的に頼んでくれる。安定的な売り上げに貢献してくれるのでありがたいですね」

 集客のためのチラシを撒いたりしたが、あまり効果はなかった。座して客が来るのを待つという商売のやり方ではじり貧になるだけ。新しい挑戦を次々に試みている。ブログやフェイスブックなどのSNSを活用し、若者の街から情報を発信している。(次回は3 月7日掲載)

文:大宮知信