中小企業の後継者不足が深刻化している。2016年に休廃業した企業約3万社の半数は黒字経営だった。団塊の世代が75歳になる2025年は後継者不在で、黒字企業の倒産が続出するのではないかといわれている。  「大廃業時代」であり、「大承継時代」でもある。

継ぎたくなる会社を創る 

中小企業経営者にとって跡継ぎの確保は喫緊の課題。ファミリービジネスの後継者になるのは、欧米では「第二の起業」と言われている。それに対して日本の若者は大企業志向が強く、「田舎の家業」には見向きもしない。

FBマネジメント代表取締役の山田一歩さんは「継ぎたくなるような会社を作ることが必要だ」と強調する。「お父さんとお母さんが資金繰りでケンカしまくっていたら、だれも家業を継ごうとは思いません。戻りたくなる会社にするのはオーナーの責任。息子さんに、うちの会社は夢があるよ。こんなに地域に愛されているよと言える会社にすれば絶対戻ってきます」

よその会社で修業してきた後継者が事業を拡大させる例は少なくない。中小企業が健全に発展していくためには、事業承継関連のマーケットを構築していく必要がある。

「全国の地銀や証券会社の若手を採用し、彼らを経営人材として育てて地域に送り込み、地場のファミリービジネスを継ぎたくなるような魅力のある会社にしていきたい」

「企業は人なり」という。どんなに苦境にあえいでいる会社でも、事業家のオペレーション次第で再生復活することは可能だ。今後の山田さんの活躍に期待したい。(おわり)

文:大宮知信