東京・中目黒のwaltz(ワルツ)は、世界的にも珍しい音楽カセットの店。カセットだけにとどまらず、様々なビジネスが派生して売上に貢献している。

高級ブランドGUCCIとコラボ

「店の営業も順調ですけど、店舗以外の仕事もどんどん入ってくる。オシャレでかっこいいファッション誌の取材や、広告の撮影をしたいという仕事が毎日のように入ってくる」とwaltz代表の角田太郎さんは明かす。

アパレルショップや飲食店などから、店内で流すBGMの選曲をして欲しいという依頼もある。最近の大きな変化は、高級ファッションブランドGUCCI(グッチ)とのコラボレーション。グッチにインスピレーションを与える世界中の場所を紹介するプロジェクト「グッチプレイス」の一つにwaltzが選ばれた。バックや小物入れなど限定アイテムの発売もスタート。世界的な高級ブランドのメーカーに、カセットテープはクールでかっこいいアイテムだと認めてもらったようなもので、心強い援軍だ。

カセットテープのコレクションといういわば道楽が本業になってしまった格好だ。思いがけないところにビジネスのシーズは転がっているのだなと、改めて思う。

「独自のビジネスを作っていかないと、成功できないと思います。みんなと同じことをやっていたら、競争環境に巻き込まれる。価格競争に陥ったりする」

今ままでは働いたお金でレコードやテープを買っていたが、今はそれが全部仕入れになったので「お金を使わなくなりましたね」と笑う。テープで新曲を発表するミュージシャンが増え。世界中からカセットテープが毎日のように送られてくる。

「こうやって店を開けていると、いろんな人が出入りし、いろんなビジネスが生まれる。営業に行かなくても、向こうから来てくれる。非常にやり甲斐があるし、楽しいです」

サラリーマン時代に比べ働く時間が長くなった。定休日の月曜日もメディアの取材を受け、ほとんど休みはない。「好きなことをやっていると全然苦にならない」という。うらやましい。好きなことで生活できるのだから、こんなハッピーなことはない。(おわり)

文:大宮知信