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食品ロス削減をビジネスに、元商社マンの社会貢献事業(下)

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食品ロスを半減させたいと意気込むグラウクス社長の関藤竜也さん

食品メーカーは中小企業が多い。自分たちが作ったものを廃棄するのは忍びないという気持ちがある。社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI.jp」は、企業にとってはサンプリングの場。そこで食べたものを消費者が気に入れば、他の店舗で購入することになり、経済の活性化や雇用の確保につながる。サイトを運営するグラウクス社長の関藤竜也さんにも「そういうものになるといいなという思いがある」

食品ロス削減の旗振り役に

サービスを開始して3年半経ったが、経営的には「お陰様で順調です。4期目が6月末で終わりましたが、赤字は1期目だけで、2期目からはずっと黒字を維持しています。ソーシャルビジネスでこれだけ黒字を続けるのはすごいと税理士さんからもほめられました」と顔をほころばせる。

これまでは加工食品を中心に展開してきたが、最近野菜や果物などの一次産品も扱うようになった。「各地の農協さんから依頼を受けて、朝採れの当日出荷という産直もやっています」

40代半ばでベンチャー起業家への転身だが「脂が乗りまくっているから徹夜仕事も平気でこなします」と、モチベーションは高い。「だれも果実を取ってないところで新しいマーケットを作っていくということになる」と、先行者メリットに期待をかける。

2030年までに食品ロスを半減させるのが目標。「かなり難しい数字ですが、私はみなさんをその方向に向ける旗振り役でいたいと思っています」

企業を個別に口説いていては時間がかかる。今後は業界団体にも働きかけていく方針だ。(おわり)

文:大宮知信

大宮 知信 (おおみや・とものぶ)

1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。 


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2018/08/02

​食品ロスの問題を解決するのは容易ではない。メーカーはブランドイメージと市場価格を大切にする。消費期限が迫ったものや缶がへこんだものなど、わけあり商品を出せといわれても、躊躇する。