食品ロスの問題を解決するのは容易ではない。メーカーはブランドイメージと市場価格を大切にする。消費期限が迫ったものや缶がへこんだものなど、わけあり商品を出せといわれても、躊躇する。いったん崩れたブランドイメージを回復させるのは難しいからだ。 

「三方よし」のビジネスモデル

価格を安くして、販売価格から寄付をする仕組みを作れば、消費者は喜んで買うのではないか。この考えをメーカーにぶつけたところ「そういう方法があるんだったら乗るよ」との返事が返ってきた。そこでグラウクス社長の関藤竜也さんが2015年2月に立ち上げたのが社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI.jp」。

サイトで商品を購入する場合は会員登録が必要で、一般会員は無料。プレミアム会員に登録すれば商品を何回購入しても送料が無料になる。登録料は月500円。現在、会員は40代の主婦を中心に6万人。取引企業は550社に上る。

ユーザーからは「自分のための買い物が社会のためにもなるなんて素敵」「素晴らしい仕組みだから楽しんで利用させてもらっている」といった温かい応援のメッセージが寄せられる。取引企業からも「これは社会インフラとしてずっと続けてほしい」との要望を受ける。

消費者は食品を安く購入して気楽に社会貢献できるメリットがあり、企業にとっては商品が売れるだけでなく、ブランドイメージを損ねることなく在庫処理ができる。

現在、自然保護団体や医療・福祉団体、動物保護団体など15の社会貢献活動団体を支援しており、ユーザーはそれらの中から自分が興味のある支援先を選択できる仕組みになっている。

食品ロスを削減し、寄付を受ける社会貢献活動団体も助かる。「みんなでお得に食べよう」ということから別名「みな得フードシェアリング」と言われる。だれもがハッピーになり、嫌な思いをしない「三方よし」のビジネスモデルともいえる。(次回は8月3日掲載)

文:大宮知信