ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

【三和ホールディングス】M&A駆使し、世界的建材メーカーに変ぼう

alt
グループの中核会社、三和シヤッター工業の本社ビル(東京都板橋区)

社運かけ、米オーバーヘッドドアを買収 

 社運をかけるーー。それは1996年、米国のドア建材最大手、オーバーヘッドドア社(ODC、テキサス州)の買収だ。当時の売上高の3分の1に近い517億円を投じ、完全子会社化した。バブル崩壊後、国内建設投資の縮小や個人商店の減少などに伴い、主力のシャッター、ドアの需要が趨勢的に落ち込む中、成長の軸足を海外に移すことにした。

 ODCはドア(住宅用ガレージドア、商業用オーバーヘッドドアなど)開閉機、自動ドア、車両(トラック、トレーラー)用ドアの4部門からなる。米国内で400カ所超の代理店網を持つほか、ホームセンター、大型商業施などを主力販路とする。目下、業績は主力のドアが住宅市場や商業用市場の回復傾向を受けて上向くなど、全体に堅調に推移している。

 さらに米国では2009年、ODCを通じてドアやホームセキュリティー製品を手がけるウェインダルトン社のドア事業を買収した。これにより、住宅用ガレージドアと商業用ドアで米トップの地歩を確保した。その後も、ODCを通じてカナダを含む北米において自動ドア事業の強化などを目的に、規模は比較的小さいながらもM&Aを継続的に実行している。

〇主なM&A~米国・欧州

年月 内容
1996年7月 米国建材大手、オーバーヘッドドア(ODC)を買収
2003年10月 欧州のドア、シャッター大手、ノボフェルムグループ(ドイツ)を買収
2009年12月 ODCを通じて米ウェインダルトンのドア事業を取得
2011年12月 ODCを通じてクリエイティブ・ドア・サービス(カナダ)の全株式を取得。ガレージドアのサービス事業強化が目的
2014年6月 ノボフェルムを通じてアルファ・デューレン・インターナショナル(オランダ)の株式取得
2016年7月 ノボフェルムを通じてノルスード・ゲスチョン(フランス)の株式取得
2017年4月 英国ノボフェルムの株式を追加取得し、完全子会社化

欧州でも大型買収

    事業を一手に担うのは域内第2位のドア、シャッターメーカー、ノボフェルムグループ(ドイツ)。2003年に全株式を217億円で取得した。米国におけるODCの利益体質が定着し、安定的な成長軌道に乗ってきたことから、欧州参入の好機と判断した。ノボフェルムはドイツを中核にフランス、オランダ、イタリア、スペインなど欧州各地にグループ会社を持ち、中国、韓国でも事業を展開している。

 ノボフェルムとODCとの事業連携も積極的に行っている。ODCの開閉機、自動ドアなどの欧州販売、ノボフェルムの開閉機、ガレージドアなどの米国販売を推進してきた。

 ノボフェルムは2014年にオランダのアルファ・デューレン・インターナショナル社を、2016年にフランスのノルスード・ジェスチョン社を相次いで買収。いずれも産業用ドア(セクショナルドア)事業の強化が主眼だった。2017年3月にはスピーディーな事業展開を目的に、合弁で運営していた英国ノボフェルムの株式50%を買い取り、完全子会社した。

 欧州では3強を形成するハーマン(ドイツ)、アッサアブロイ(スウェーデン)との競争が激しさを増しており、M&Aには引き続き積極姿勢で臨む構えのようだ。

 一方、アジアはもう一段の事業拡大に向け、今後、既存の合弁会社について連結子会社化が選択肢として視野に入ってくるとみられる。

〇主な国内M&A

年月 内容
1990年1月 自動ドア製造の昭和建産に資本参加
1996年12月 ステンレス加工の吉田製作所を買収
1999年12月 田島順三製作所(現三和タジマ)の全株式を取得
2003年12月 ベニックス(間仕切り)の全株式を取得
2005年11月 田島メタルワーク(ステンレス製品)の全株式を取得
2006年1月 メタルワーク関西(ステンレス建具)の全株式を取得
2008年3月 林工業(スチールドア)の全株式を取得
2014年3月 開閉機の振豊紡機製作所(現三和電装エンジニアリング)を買収
2015年9月 ミタカ工業からドア事業を買収し、「三和ミタカ」を設立
2017年4月 日本スピンドル製造から学校間仕切り事業を買収

NEXT STORY

【パナソニック】M&Aなどの戦略投資に1兆円

【パナソニック】M&Aなどの戦略投資に1兆円

2017/11/16

「2018年度に向けて(M&Aなどで)戦略投資として1兆円を投じる」 パナソニック<6752>の津賀一宏社長は2015年度の事業方針発表会で、こう高らかに宣言した。2011年に陥った業績不振から脱却し、創業100周年となる2018年からは再び成長軌道を描ける企業に変身させるのが狙いだ。これまで戦略投資は着実に実施しており、あとは現在の事業計画の最終となる2018年1年を残すのみとなった。パナソニックの成長力を左右する2018年のM&Aにはどのようなドラマが隠されているのか。投資家のみならず、多くの関係者の視線が自ずと集まる。