労務監査報告書でわかること

最終的に、労務デューデリジェンスは、「労務監査報告書」という書類で対象企業の労務の実情が表現されます。その様式に法的な決まりはありません。労務監査を行う社会保険労務士によってさまざまです。

また、監査対象法人によって、監査の結果、すなわち報告書の内容に濃淡の差があるのも当然のことです。何ら問題となるところがなければ、どのような調査を行ったか、その内容と監査上は「問題はなかった」ないということが示され、問題点があれば、その問題の所在と原因が詳細に示されています。

問題点については、M&A後に与える影響について付記されているケースもあります。また、改善のための処方箋・アドバイスが示されているケースもないわけではありません。ただし、それは通常の労務デューデリジェンスの範疇を超えているということもできます。

報告書の内容は、すべては監査を求める法人の要望に沿ったものと考えてよいでしょう。監査対象の法人が、できればあまり触れてほしくはないと思うような部分も、監査を求める法人が要望しているのであれば、調査結果を正確に記入します。

労務に関する監査は、数値化がしにくい面もあり、特定の社会保険労務士が1人で行うと、恣意的になってしまう可能性がまったくないとは言いきれません。

そのような恣意性を排除するため、通常は、
・主監査人
・副監査人
・補助監査人など
複数の社会保険労務士および、その社会保険労務士法人のスタッフが共同して行います。

報告書において恣意性を排除し客観性を保つことは、重要な要素。そのために複数の人間で対応しているということもできます。

では、ある企業の労務監査報告書の中身を見ていきましょう。