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【M&Aと経営】チェンジオブコントロール条項

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チェンジオブコントロール条項とは?

今回のお話は税務や会計ではなく、どちらかといえば法務やビジネスのお話です。一見ややこしそうですが、ぜんぜん難しいものではありません。「人間の欲望」とか「人間の感情」とか「銭(ゼニ)の損得勘定」を考慮すれば、難しい話ではないと思います。

ちょっと前置きで説明すると・・・

子供のころ、あなたが、「Aちゃんが好きだからあげたオモチャを、Aちゃんがその友達のBちゃんにあげちゃいました。」となったらどう思いますか?いやですよね。

あるいは、ビジネスの場面で、あなたのアイデアを、「Cさんに100万円の許諾料をもらって使用許諾したのに、CさんがDさんに使わせていた。」となったらどうでしょうか。Dさんからも100万円もらいたいですよね。

ということで本題の説明です。

一般的な契約関係の言葉の中に「チェンジオブコントロール条項(Change of control agreements;COC)」というものがあります。
要するに「この会社の支配者が変わったり、資本構成が変わったりしたら、○○するよ」的なものです。

当然、契約の中身はマチマチです。「大株主に変動があったら通知してね。通知がなかったら解約するよ」というものもあれば、「大株主が変わったらその時点で、この契約は無効だよ」など様々です。公序良俗 や法令等に反しない契約は有効ですから、このような契約も普通に存在する訳です。

皆さんも「賃貸借契約書」や「取引基本契約書」や「使用許諾契約書」などがお手元にあったら読んでみてください。「チェンジオブコントロール条項」があるかも知れません。(普通は「〇〇になったら、通知しなければならない」程度のものが多いと思いますが)

M&Aなどの場面は要注意

チェンジオブコントロール条項」は、契約条項に触れるような事象が起きるM&Aなどの場面では、特に要注意です。「本契約は、乙の株主に変動が生じた場合、即時に無効となる。」とされている契約があれば、文字通り「乙の株主に変動」が起きれば無効となります。

例えば、あなたが成功した漫画家さんだったとします。そしてあなたが非常に信用していた「山田さん」という編集者がいたとします。山田さんは、あなたが苦しい時もスランプの時も、一生懸命支えてくれていました。

やがて山田さんは独立し出版社を興しました。あなたは山田さんの出版社に自己が所有するキャラクターの使用許諾をします。その後、山田さんの出版社は成功したものの、他の出版社に会社を売ることにしました。

あなたは、「山田さんの出版社だったからこそ」使用許諾を与えたわけですから「ほかの人の資本下に入るなら、許諾はしない」と考えます。
この場合、使用許諾契約書に「出版社の株主に変更が起きた場合は本契約は消滅する」ということを明記してあれば、この契約は消滅します。

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